文学少年(変態さん)は世界最恐!? 〜明らかにハズレの【書誌学】、【異食】、にーとと意味不明な【魔術文化学概論】を押し付けられて異世界召喚された筈なのに気づいたら厄災扱いされていました〜
第二百五十四話「クレイジー武器ヲタ美少女? 鳰ちゃん(仮)」
第二百五十四話「クレイジー武器ヲタ美少女? 鳰ちゃん(仮)」
異世界生活百三十三日目 場所ジュドヴァ=ノーヴェ魔族王国、魔王領エーイーリー
〝
「よっ、この様子だと全員無事に避難できたみたいだな」
転送先に居たのはジューリアと鶫だけだった。逃げ遅れた人がいてあたふたしている様子もないし、大丈夫そうだな。
「ああ、確認したところ全員避難できているようだ。本当に感謝しても仕切れない」
「いや、鶫さん。あれって多分俺の客だし寧ろ迷惑を掛けたのを謝らないといけない気がする。……うん、前回と違って自分達のことを嗅ぎ回っているヘズティスさんをついでに処分しようって狙いがあった訳でも無さそうだし」
「草子、お前が謝る必要はないだろう? 敵は勝手に攻撃してきている。その害悪に対抗できない私達を真っ先に逃がしてから戦ってくれたおかげで今、私達は生きていられる。……普通は感謝するべきだと思うが」
「そう言ってもらえるとこっちも気が楽になるよ」
……しかし、なんで毎回魔王領の首都で攻撃を仕掛けてくるのか。
もしかして、狙いは俺じゃなくて現体制の魔王軍の幹部を纏めて排除して魔王軍全体の戦闘力を低下させてから魔王軍そのものを乗っ取ることなのか? いや、多分考え過ぎだな。
「さるほどに、魔法少女はいかがなりき?」
「どうなったって、悪堕ち魔法少女共々食ったけど? 今回のはホムンクルスだったし、わざわざ助ける必要はないと思ったからね」
「……つまり、草子。お前はあの魔法少女の力を使えるようになったということか?」
「まあ、そうなるね。でも、鶫さん。怯える必要はないよ。この力を鶫さん達を殺すために行使することはないから」
それに、解析が済んでないから今すぐには使えないんだよね。
そもそもヴァルルス戦は
「ところで、ヴァルルスさんは既に城に?」
「ああ、他の五箇伝や騎士団と共にな。私は草子に現状の報告とお礼を言うために残っていただけだ」
「……相変わらず律儀ですな、鶫さんは。では、ヴァルルスさんの城に行って二つの目の結界を解いてもらいますか」
◆
【――システム起動。《神代空間魔法・夢世結界》の発動、完了しました。耐性及び無効スキルの無効化、
中空に画面が生まれ、エンリの姿が映し出される。
「さて、仕切り直しと行きますか。結界、解いてもらいますよ!」
「そう簡単に解きはせんよ! 魔王軍幹部ヴァルルス=ルナジェルマの名にかけて、絶対に結界は死守させてもらう!! 〝不可視の地雷よ、不可視の空中機雷よ、我が敵の行く手を阻め〟――〝
〝
「〝世界という名の盤上に干渉せよ! 位置という概念を支配し、我が思い通りに駒を配置せよ〟――〝再配置-game reset-〟」
新たな【空間魔法】――〝再配置-game reset-〟は、ユニバー●ワンの大陸の形を変える圧縮効果がないバージョンのようなものだ。
選んだ特定の人物や物体だけ特定の場所に移動させ、他の人物や物体はすべてランダムに再配置させることになる。
俺は〝
結果、完璧に計算し尽くされた〝
……うん、ぶっちゃけ〝マジカル・デモリッション〟で消し去るのが一番早いけど、それ使われるのって魔法使い系にとっては悪夢だし、変な高難易度魔法で対処するって作戦にしたんだけど、\\やべぇ//のには違いない気がしないでもない。
「〝
ちっ、痛てッ! 魔術の劣化版である魔法をさらに簡略化させ、詠唱すら排除した万能だが無駄に燃費が悪い魔法――【無属性魔法】って奴か!
もう怒ったもんね! ……どこの甘い賢者? なのだろう?
「〝浮遊させよ〟――〝レビテーション〟」
オリジナルの【重力魔法】で体を浮かして無限スリップ状態から脱出……あれ、エンドレスでウザいんだよね。
「仕返しだ。〝痛みを理解したまえ〟――〝ダイレクト・ペイン〟! タンスに小指をぶつけた時の四倍の痛みを理解し給え!!」
リアル・ペイ●ブリンガーだ。世界に痛みを……は違うか。
「痛ッ! ――何をした!?」
「何をってタンスの角に小指をぶつけた時の四倍の痛みを精神に直接叩き込んだんだよ。まあ、要するに俺の
「……なんなんだ、その意味不明な魔法は。なんでタンスの角に小指をぶつけた時という意味不明な単位なんだ?」
「いや、なんでって元ネタがそうだからとしか言いようがないけど。文句なら元ネタに言ってくれ」
まあ、使い勝手がいいから非殺傷性魔法の代表格として乱用している俺も悪いんだけどさ。
『……草子、ヴァルルス様。戦いが低レベルになっています』
「鶫さん……ジト目向けないでください。はぁ、分かりました。徹底的に潰しに行きます」
「そうだな、少し遊び過ぎたか。〝森羅万象を分散し、五素を取り出し、顕現せよ。劫火、暴風、冷気、雷撃、水流――五素の力よ、今こそ荒れ狂って破壊をもたらせ〟――〝
うわ、大技使ってきた……これやべえな。とりあえず。
「〝世界という名の盤上に干渉せよ! 位置という概念を支配し、我が思い通りに駒を配置せよ〟――〝再配置-game reset-〟」
よし、再配置完了……からの。
「〝悪の光に裁かれよ〟――〝
マジェルダの
「まさか、
ヴァルルス、ギリギリのところで回避。NICE、反射神経!!
「――このまま戦ったところで勝ち目は無かろう。一気に決めるとしようではないか!」
【アンデッド創造】の効果で大量のアンデッドを作り出したか。……
「〝百万の存在を生贄を我が大いなる魔導の糧とせよ〟――無属性
絶級魔法? ……えっと、確か一人ではまず発動できない魔法のランクだっけ? 確か、超級魔法ってランクの上だったか。
……でも、これって確か魔族の方の分類方法だったっけ? 人間の方だと……。
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★一人で発動可能。
・初級魔法(初級魔術) = 初級魔法(初級魔術)
・中級魔法(中級魔術) = 中級魔法(中級魔術)
・上級魔法(上級魔術) = 上級魔法(上級魔術)
★二人以上で発動、既に廃れている。《儀式などで無理矢理発動させることもできないことはない。
・作戦級魔法 = 極大魔法
・戦術級魔法 = 超級魔法
・戦略級魔法 = 絶級魔法
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……って、悠長に解説している場合じゃなかった。一応結界張っているから夢扱いになるけど、これ、実際に発動したらジュドヴァ=ノーヴェ魔族王国が滅ぶじゃん!?
「〝全ての魔法を粉砕せよ〟――〝マジカル・デモリッション〟」
使うつもりは無かったけど、こんなの使われたら使うしかないよね。
はい、無効化完了。いくら最強でも魔法である限りは魔法破壊魔法には抗えないのさ!
「――まさ、か。生け贄まで捧げた我の絶級魔法を、一撃でぇ!?」
「うん、まあ魔法である以上魔法そのものを破壊する魔法に抗うことはできないからね。んじゃ、反撃させてもらうよ。〝漆黒を裂く光明よ。夜を塗り潰す純白に我が裡の真紅との混淆を望み給う。頽廃の世は終わらぬ。煉獄は頽廃した世に慈悲を齎さぬ。積み上げられし屍人の山。地を埋め尽くす物言わぬ骸。我が命が果てるのは今日か、明日か。地上の炎は慈悲なく命を焼き尽くす。末法の世に救いはあるや有りや無しや。ならば我が全てを救おう。その慈悲なる炎を以って全ての生きとし生ける命を救済しよう。今、審判の喇叭は吹き鳴らされた。地上は救済の白き炎に包まれる〟――〝セイクリッド・ノヴァ・エクスプロージョン〟」
「なっ、何!?
魔王軍幹部ヴァルルス=ルナジェルマ、撃破。……割と危なかった?
◆
「約束通り、魔王城の結界を解除してくれ」
「……完敗だ。約束通り結界を解除しよう」
よし、魔王城の結界がまた一つ消えた。これで、残るは八つ……半数以上あるな。
「さて、ヴァルルスさん。勝負も終わったし、次のステップに進むとしようか?」
「……なんだ? 魔法少女から我らを守ってくれたことは感謝している。その褒賞が欲しいということか?」
「違う違う。というか、あれはどっちかっていうと俺の客だし、寧ろ俺が賠償金を出すべきな気がするんだよね。……その話じゃなくて、別の奴だよ。実は鳰さんから武器を作ってくれって頼まれていてね。オレイミスリル製の汎用武器ならともかく、鶫さんに渡したレベルになると素材が素材だけにタダで渡すってのは厳しいんですよ」
「……なるほど。つまり、その武器の対価としてお金を支払えということか?」
ヴァルルス、雲雀、鵠の視線が痛い……というか、他のメンバーは突き刺さる視線を向けて来ないんだな。
「まあ、武器をタダでもらおうなどというのは虫が良すぎる話だろう。……私の分も支払う必要があるか?」
「あらあら。でも、それで軍備が大きく強化されるのなら、支払ってもいいのではないでしょうか?」
「ウチのせいで済まないっす……でも、鶫っちの武器や防具は一級品っす。あれは、草子さんにしか作り出せないものっすよ! 今しかないっす!!」
いや、武器オターさんの熱意が凄いな。通信販売のバイヤーかと錯覚したよ。
……うん、何故か予備校の人気講師なのに通信販売のバイヤーに見えてしまう人を思い出してしまった。全く似てないのにな……。
「いや、別に俺は金銭を要求する訳じゃないよ? お金なら別に稼げるし」
「……ならば、何を狙っている? 私達魔族!? ……もしや、私の妹達を!! お姉ちゃんは命を懸けて、鶫ちゃん達を守るよ!!」
「あのさ、なんでそういう話になるのかな? ……俺が求めるのは二つ――一つは魔界中央図書館の閲覧権限。もう一つは、【妖術】を教えて欲しい」
「……そんなものでいいのか? 魔界中央図書館は一部を除いて一般解放されている。この地の魔族を救ってくれた草子殿に閲覧権限を与えるのも吝かではない。……しかし、【妖術】は魔族でも妖怪に分類される者達しか使えない。そんなものを人間が教えてもらっても意味がないだろう?」
まあ、普通はそう思うよな。だけど、それは常識的に考えればの話。俺の【暴食之神】に常識は通用しないんだよ? なんたって普通にデータマテリアルを捕食してしまうのだから。
「鵠さん、俺に妖力弾を撃った時のことを覚えてる?」
「ああ、屈辱だった。私の妖力弾を喰った挙句、斬り倒されたのだからな…………まさか!?」
「そのまさかだよ。妖力弾を喰って妖力を使えるようになった状態なら、【妖術】も使えるだろう? 俺は物理にも魔法にも分類されない攻撃ってのを模索しているんだ。それに、【妖術】はぴったりだと思ってな。まあ、戦える手段は増やした方が良くね? って話だよ」
「草子……お前、どこまで強くなるつもりだ?」
「どこまでって……こういうのって際限がないからな。このカオスな世界には魑魅魍魎が跋扈している。それは、人間の形をしていたり、魔族の形をしていたり、亜人種の形をしていたりする……もしかしたら、魔法少女かもしれないし、異世界の神様かもしれないな。そういう奴らと戦うためには力が必要なんだよ。想定できない相手と戦い続ける――そのために強さってのはあったらあった分だけ心強いだろう?」
いくら準備してもしたりない。想定外の事態が容易に起こりうる。
だから、例え小さな一歩でも確実に積み上げていきたいんだ。
「分かった。草子殿がその条件でいいというのであれば、こちらにも異論はない。……図書館についてだが、明日までに交渉しておく。明日はその時間空けておくから、我が案内しよう。図書館の館長とは友人なのでな」
「ありがとうございます」
よし、交渉成立。――そうしはとしょかんのえつらんけんげんをてにいれた。
「それと、【妖術】の件だが鳰、雲雀。お前達二人に任せる」
「了解っす」
「雲雀に任せてください。――草子さん、よろしくお願い致します」
「よろしくな。……んじゃ、先に武器を作るとするか。オレイミスリル製の汎用武器がどの種類をどれだけ必要か、教えてもらいたい。それと、ヴァルルスさんと五箇伝の武器は話を聞きながら作っていくんで、後で一人ずつ話を聞いていきます」
――さて、忙しくなりそうだ。
◆
まず、オレイミスリル製の剣、刀剣、槍、鉾、斧、棍棒、錫杖、薙刀、鎌、甲冑、盾、籠手、手裏剣をそれぞれ四千本作って納めた。……まあ、これでも十分強いんだけどね。
そこから、一人ずつ別室に呼んで武器と防具をオーダーメイドで作ることになる。
ちなみに、暇になったジューリアには「近くで大食い大会が開かれているらしい」ということを伝えて参加費プラスアルファを渡しておいた。……優勝賞金を含めれば、しばらくの食費には……ならないよな。
「では、まずは秧鶏さん。武器は薙刀、防具は着物ってところでいいかな?」
「はい、それでお願いしますわ」
まずは武器の薙刀から作るとするか。素材は
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・
→五種類の
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「薙刀の方は完成したよ。性能は
「ありがとうございます。……これは、なかなかの業物ですわね!」
「まあ、希少な素材をいくつか使った一点ものだからね。……さて、次は着物か。秧鶏さんの好きな色って何色?」
「赤ですわ。薔薇のような真っ赤です」
……赤ね。んじゃ、オラクルスレッドとオレイミスリルの糸で作った生地を赤く染め上げて……【利己主義的な創造主】を発動して。
-----------------------------------------------
・
→赤を基調とした振袖だよ! 生地にはオラクルスレッドとオレイミスリルの糸で作った布を使っているよ!
-----------------------------------------------
さて、後は武器と防具の鑑定結果を紙に書いて――。
「防具の方も完成。武器と防具の詳細を纏めたメモも付けとくよ」
「ありがとうございます。早速試しに着てみます」
「何か問題があったら遠慮なく言ってください。修正しますんで」
さて、一人目は終わったな。素材も沢山持ってきたし、問題ないだろう。
「――次の方」
「お願いするっす!」
二人目は鳰さんか。確か、今使っている武器はオリハルコンの忍刀、防具は忍装束だったな。
「今の装備と同じような感じでいいかな?」
「今と同じ忍系でお願いするっす! それと、作っているところを見せてもらいたいっす!!」
「じゃあ、始めるよ。作る時に何をしているか説明すればいいってことだね。まず、素材になる五つの
なんかドイツ人作曲家レオン・イエッセルの『おもちゃの兵隊の行進曲 Parade of the Wooden Soldiers』が聞こえてきそうだな。……まあ、要するに約十分でクッキングする番組のテーマソングだよ。……うん、鍛治は普通十分で終わらないよな。まあ、
「その五つの
「ああ、これはだね……オリハルコンとミスリルの合金であるオレイミスリル、オラクルメタルという特殊金属、聖剣とか
「ほうほう、聖なる武器や防具を
「いや、古代文明の迷宮に行くと普通に敵が装備しているよ? というか、
「そ、そうっすか……。……ん? もしかして、今から作る武器って聖剣でありながら魔剣でもあるっていう武器っすか?」
「そうだけど?」
「まじすか!? 勇者と魔王――光と闇の力が一つに宿った伝説の武器!! 厨二心を擽られるっす」
「……ああ、やっぱり厨二病だったんだね」
まあ、なんとなくそうだとは思っていたけどね。
「これを【利己主義的な創造主】で混ぜて整形して……はい、完成」
-----------------------------------------------
・
→五種類の
-----------------------------------------------
「こ、これが……す、凄いっすよ! とんでもない性能っす!! なんか色々とやべえっす」
「おいおい、言葉になっていないぞ。……さて、次は防具か」
「防具……つまり、忍装束っすね?」
「……と、思ったんだけどさ。なんか鳰さんの魅力を引き出すって感じに俺がなんとなくしたいから、忍装束はやめよっかなって思って」
「えっ……それ、欲しいもの聞いた意味なくなるじゃないっすか? ウチ、使い物にならない装備はいらないっすよ」
「まあまあ、ちゃんと使い物になるから」
オラクルスレッドとオレイミスリルの糸で作った生地を黒く染めて、【闇掌握】の中の闇に溶け込む効果を付与して……。
-----------------------------------------------
・
→黒を基調とした振袖だよ! 【闇掌握】の一部の闇に溶け込む効果が付与されているよ! 生地にはオラクルスレッドとオレイミスリルの糸で作った布を使っているよ!
-----------------------------------------------
「これ……黒い着物っすね」
「ああ、黒い振袖着物だよ」
「……気に入ったっす! 忍装束って前からシンプル過ぎるって思っていたっす! でも、これなら忍装束の隠密性を残しつつ……どころか向上させつつ、シンプル過ぎるデザインから脱却できるっす!!」
「お気に召したようでなによりです。んじゃ、終わったことだし次の方にバトンタッチを――」
「ウチ、感服したっす! 草子師匠が装備を作っていく姿を見学させてもらいたいっす!!」
……おい、いつの間に師匠になったんだ?
「プライバシー保護のために武器と防具の製作は一対一でするから」
鳰の足元に〝
「――次の方」
「……お願いします」
次は雲雀さんか。
「雲雀さん。武器は杖系でいいとして、防具はどうします? 今まで通りローブでオーケー?」
「……………可愛いのにしてください」
ん? 今何か聞こえた気がするが気のせいか?
「えっと……なんだって?」
「雲雀に二度と言わせないでください。……恥ずかしいです」
……どうやら聞き間違いじゃなかったっぽい?
「雲雀っちは終始塩対応でクールな頭脳派に見えて、実は結構可愛いものが好きなんっすよ! 雲雀っちの部屋はピンク一色で天蓋付きベッド、沢山の人形と少女趣味なもので溢れているっす」
「……鳰、殺す」
「きゃ〜♪ 怖いっすよ♪♪」
うん、絶対に怖がってないな。……というか、どこから湧いてきやがった。
「鳰様」
「どうしたっすか? 草子師匠がウチを様付けとか物凄い怖いっす」
「どこから湧いてきやがった、です?」
「それ、絶対に言語崩壊しているっす!!」
失敬な。黒髪黒目でフェネック少女が使う由緒正しい? 言語だぞ!
……しかし台所のGさん並みにしぶとい奴やな。……もしかして、山Gの親戚か?
「とりあえず、もう一度転送しておくか。〝距離に隔てられし世界を繋ぎたまえ〟――〝
「もうその手には乗らないっすよ!」
鳰は回避のために右に動いた。しかし、残念。〝
「よし、邪魔者は消えたし仕事に掛かりますか……よし、じゃあ今回は先に服から作るか」
オラクルスレッドとオレイミスリルの糸で作った生地をピンクや白に染め上げる。
フリル多めのワンピース、同色のストッキング、大きなリボンをあしらったカチューシャ……まあ、こんな感じか。
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・
→甘ロリ風の衣装だよ! 生地にはオラクルスレッドとオレイミスリルの糸で作った布を使っているよ! 高い防刃性能と魔法耐性性能を誇るよ!
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「完成……防刃性能と魔法耐性を付与したから実用性は高いと思うよ」
「ありがとうございます。――雲雀は気に入りました♪」
さて、次は武器か。種類は杖として、
-----------------------------------------------
・
→五種類の
-----------------------------------------------
「まあ、こんなところかな? 見た目だけの装備じゃなくて、ちゃんと実益を兼ねている筈だけど」
「ありがとうございます……可愛い」
なんとなく、雲雀の趣味が見えてきたな。……そうだ。
「ところで、雲雀さん。人形遣いに興味はない?」
「……人形遣いですか?」
「【妖術】をうまく使えば人形を動かせるんじゃないかなってね? 魔法使いってどうしても物理が苦手になるから、その対策として人形に攻撃させたらどうかなって?」
「雲雀は面白いと思います。……でも、本当に可能かどうか……雲雀には想像がつきません」
「まあ、実際にやってみて上手く行ったら上手く行っただ。上手くいかなくても雲雀さんの部屋に人形が増えるだけだし」
「お願いします」
-----------------------------------------------
・クマの人形『__』
→クマの人形だよ! 名前はまだ無いよ! 〝龍王〟バハムートの爪で作った鋭い爪を持っているよ! 生地にはオラクルスレッドとオレイミスリルの糸で作った布を使っているよ! 高い防刃性能と魔法耐性性能を誇るよ!
-----------------------------------------------
「可愛い……大切に使わせてもらいます♡ 名前は……そうですね、ロゼロゼにします♪」
ロザロザさんみたいな名前だな。
「それじゃあ、早速試してみて」
雲雀がクマの人形に妖力を込めると、少しだけ浮いた。
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NAME:信楽雲雀 AGE:26歳
LEVEL:130
HP:12000/12000
MP:10000/10000
SP:9000/9000
STR:10000
DEX:6000
INT:120
CON:7000
APP:120
POW:7000
LUCK:50
JOB:
TITLE:【五箇伝〝妖狸〟の雲雀】
SKILL
【全属性魔法】LEVEL:305
→全属性の魔法を使えるようになるよ!
【妖術】LEVEL:305
→妖術が使えるようになるよ!
【狸火】LEVEL:305
→狸火が使えるようになるよ!
【幻術】LEVEL:305
→幻術が使えるようになるよ!
【変幻】LEVEL:305
→変幻が上手くなるよ!
【人形使役】LEVEL:1
→人形の使役が上手くなるよ!
【ジュドヴァ=ノーヴェ語】LEVEL:310
→ジュドヴァ=ノーヴェ語を習得するよ!
ITEM
・
→五種類の
・オリハルコンの錫杖
→オリハルコン製の錫杖だよ!
・
→甘ロリ風の衣装だよ! 生地にはオラクルスレッドとオレイミスリルの糸で作った布を使っているよ! 高い防刃性能と魔法耐性性能を誇るよ!
・宵闇のローブ
→宵闇に溶け込む色のローブだよ!
・クマの人形『__』
→クマの人形だよ! 名前はまだ無いよ! 〝龍王〟バハムートの爪で作った鋭い爪を持っているよ! 生地にはオラクルスレッドとオレイミスリルの糸で作った布を使っているよ! 高い防刃性能と魔法耐性性能を誇るよ!
-----------------------------------------------
「【人形使役】ってスキルを獲得したみたいだから、そっちに切り替えたら上手く動かせると思うよ」
「上手くいきました。……ありがとうございます」
「お疲れ様。次の人を呼んできてくれるかな?」
さて……この順番だと次は鵠さんか。あの人、苦手なんだよな。
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