文学少年(変態さん)は世界最恐!? 〜明らかにハズレの【書誌学】、【異食】、にーとと意味不明な【魔術文化学概論】を押し付けられて異世界召喚された筈なのに気づいたら厄災扱いされていました〜
ゴブリンの世界は上司の命令が絶対な縦社会なのだろうか? 異世界にもブラック企業があったらしい。その名はゴブリンコミュニティ!!
ゴブリンの世界は上司の命令が絶対な縦社会なのだろうか? 異世界にもブラック企業があったらしい。その名はゴブリンコミュニティ!!
おはようございます。二日目です。……って、スマホの充電が切れて時計が見られないから今が何時なのかは分からないけど、とりあえず体感的には二日目なので、二日目ということにしておきましょう。細かいことは気にしたってしょうがない。
今日も張り切って探索探索♪ (既に空元気)
現在地は不明。転移した安全地帯から階段を三つ降りたことは分かるんだけど、そもそもスタート地点がどこでこの迷宮がどれくらいの規模なのか分からないからな。
【全マップ探査】とか贅沢は言わないからさ、せめて【マップ】は欲しいよ。自力でマッピングするからさ。
ゴールの見えないマラソンってこういうもんなんだね。って、これって人生の比喩だっけ。なら、この迷宮探索も人生だ。精一杯生き抜くぞー。
ということで、本日も安全地帯から移動しとにかく下行きの階段を目指します。
下に行くと地上から遠くなるし、敵は強くなっていくしってどんどん地上と安全から遠退いている気がするけど、それでも進むしかない。矛盾しているように思えるけど、これが今できる最善なんだよな。
とにかく最奥を目指すしかない。運が良かったのか目立った戦闘もなく階段を三つ降り、順調に探索が進んでいたところでようやく敵さんが登場。……ん? 見ねえ顔だな。大きめのゴツいゴブリン(ホブゴブリンとかかな?)と六体のゴブリンが担ぐ御輿の上で踏ん反り返っているでっかいゴブリン。
よし、とりあえず【鑑定】してみよう。
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NAME:ホブゴブリン
LEVEL:38
HP:260/260
MP:40/40
STR:110
DEX:30
INT:21
CON:110
APP:-30
POW:150
LUCK:28
SKILL
【両手棍】LEVEL:15
→両手棍を上手く使えるよ!
【猛打】LEVEL:18
→猛烈な勢いで殴るよ!
【衝撃槌】LEVEL:16
→衝撃波が発生するほどの威力で殴るよ!
【体当たり】LEVEL:12
→体当たりが上手くなるよ!
【硬化】LEVEL:16
→体を硬化させるよ!
【威圧】LEVEL:12
→威圧感で相手を怯ませるよ!
【性豪】LEVEL:30
→性欲を上昇させるよ!
ITEM
・ケヤキの棍棒
→欅でできた棍棒だよ!
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NAME:ホブゴブリン
LEVEL:39
HP:270/270
MP:40/40
STR:121
DEX:35
INT:28
CON:118
APP:-30
POW:153
LUCK:29
SKILL
【片手斧】LEVEL:16
→片手斧を上手く使えるよ!
【猛打】LEVEL:18
→猛烈な勢いで殴るよ!
【衝撃槌】LEVEL:16
→衝撃波が発生するほどの威力で殴るよ!
【体当たり】LEVEL:12
→体当たりが上手くなるよ!
【硬化】LEVEL:16
→体を硬化させるよ!
【威圧】LEVEL:12
→威圧感で相手を怯ませるよ!
【性豪】LEVEL:30
→性欲を上昇させるよ!
ITEM
・錆びた鉄斧
→鉄製の斧が錆びたものだよ! 鋭利さは低いけど傷口から錆びが入って感染症になる可能性があるよ!
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NAME:ゴブリンジェネラル
LEVEL:52
HP:450/450
MP:51/51
STR:230
DEX:20
INT:100
CON:120
APP:-50
POW:150
LUCK:18
SKILL
【両手斧】LEVEL:30
→両手斧を上手く使えるよ!
【猛打】LEVEL:25
→猛烈な勢いで殴るよ!
【衝撃槌】LEVEL:25
→衝撃波が発生するほどの威力で殴るよ!
【体当たり】LEVEL:26
→体当たりが上手くなるよ!
【硬化】LEVEL:28
→体を硬化させるよ!
【加速】LEVEL:16
→速度を上げるよ!
【連携】LEVEL:15
→連携が上手くなるよ!
【指揮】LEVEL:15
→指揮が上手くなるよ!
【編成】LEVEL:15
→パーティの編成が上手くなるよ!
【作戦】LEVEL:15
→作戦を立てるのが上手くなるよ!
【威圧】LEVEL:40
→威圧感で相手を怯ませるよ!
【縮地】LEVEL:28
→物凄い速度で相手と距離を詰めるよ!
【性豪】LEVEL:65
→性欲を上昇させるよ!
ITEM
・錆びた両手斧
→鉄製の大きめの斧が錆びたものだよ! 鋭利さは低いけど傷口から錆びが入って感染症になる可能性があるよ!
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今までのゴブリンとかゴブリンシャーマンが子供だったみたいな強さだよ。
しかもゴブリンジェネラルは
ところで、ゴブリンジェネラルを支えているゴブリン達は敵にカウントされないのだろうか? まあ、アイツら武器持っていないし【体当たり】くらいしか使えないだろうけど。
「〝凍てつく礫よ〟――〝アイスフラグメント〟」
先手必勝とばかりにとりあえず氷の礫を放ってみた。――おっ、ホブゴブリンがゴブリンジェネラルの前に出てその身で攻撃を受けた。
これが、【連携】なのか? 単に自分の身可愛さに部下に庇わせるクソ上司にしか見えないけど。
ゴブリンの世界は縦社会なのだろうか? 上司の命令は絶対なのだろうか? 魔法の国の人事部門なのだろうか? 嫌だな、そのブラック企業。もし、転生したとしてもゴブリンにはなりたくないな(見た目的にも社畜な立場的にも)。
俺が礫を受けたホブゴブリン(仮にホブゴブリンAとしよう)に気を取られている隙に、もう一体のホブゴブリン(仮にホブゴブリンBとしよう)が襲い掛かってきた。
まさか、ゴブリンジェネラルはここまで読んでいたのか? くっ、ゴブリンだと侮っていたが、ジェネラルと付くだけでこれほどまでになるとは(本人は踏ん反り返って「あー」とか「こー」とか気怠げに指先しているだけだけど)。
まあ、ホブゴブリンBに接近されたところで問題ない。【縮地】で距離を詰められるのならともかく相手は普通に走ってきている。確かに足は速いが、所詮はそれだけだ。
俺はいつも通り鍬に【梱包】で魔力を纏わせ、その上から【纏雷】を発動。そのままホブゴブリンBの頭目掛けて振りかざす。
よし、ホブゴブリンB撃破。脳漿撒き散らし、顔がぐちゃぐちゃな肉片になっているし、HPが0だから問題ないだろう。……えっ、最初のグロ描写要らなかったって? すみません。でも、事実だから。
ホブゴブリンBが簡単に殺されたからなのか、ゴブリンジェネラルが表情を変えた。
場の空気が変わったとか、なんというか。「ここまではお遊びだったが、ここからは本気でいくぜ」みたいな感じだろうか? なら、最初から本気出せよ!
ゴブリンジェネラルはホブゴブリンAに攻撃命令(多分)を出し、自らも御輿から降りる。
御輿を担いでいたゴブリン達は御輿を投げ出して散り散りになり、それぞれ武器を持って帰ってきた。
ゴブリンジェネラルが「行けッ!」みたいな指示を出す。それに合わせてゴブリン達が一斉に棍棒を構えて突撃してきた。
うわぁ、特攻だ。捨て身で突っ込めば一匹くらいはダメージを与えられるだろうって寸法だろう。単純ゆえに厄介だ。
でも、残念でした――。
「〝凍てつく床よ〟――〝アイスフロア〟」
素早く呪文を詠唱し、床を凍結させる【氷魔法】を発動。同時に突撃するゴブリン達の足元を凍らせる。
……ちっ、ホブゴブリンAとゴブリンジェネラルは範囲外だったか。
まあ、問題ないだろう。足元が凍らせられ身動きが取れないゴブリン達を一匹ずつ雷を纏った鍬で撲殺していく。
HPを見るまでもない。ゴブリン達は全滅した。
レベル的には20くらいあったと思うんだけどね。あんまり体感的には最初に探索していた階層のゴブリンとあんまり変わらないな。
きっと、あの頃よりも強くなったんだろう(魔獣の肉を食べてからステータスの上がり方おかしいし)。もうそろそろゴブリンを雑魚認定してもいいかもしれない。
敵の足元を凍結させられるのは〝アイスフロア〟を発動した瞬間のみ。後はツルツル滑るのと冷たいだけの床と化す。
それを知っているのか、ホブゴブリンAはなんの躊躇も無しに凍った床を踏みしめて襲い掛かってきた。
名前から欅の木でできていることが分かる。……異世界にも欅ってあるんだ。そういえば、俺の持っているヒノキの棒も素材檜だっけ。意外と地球と異世界カオス(久々に名前出た)の植生は似ているのかもしれない。
俺は【縮地】を発動してホブゴブリンAと距離を詰めるのと同時に振りかぶった魔力と雷を纏った鍬を勢いよく振り下ろす。
ワンパターンで単純だけど、知っていたところでこのコンボを崩すことはできない筈だ。ホブゴブリンAと俺の間にはそれだけ隔絶した差が存在しているからだ。
このステータスの差というのは理不尽なものである。この差を埋めるためには相当な策を練らなければならない。その上で気づかれたら即終了。はっきり言って無理ゲーだ。
昨日の前半の俺は正しくそれだった。ゴブリンに狩られて当然の弱者。もし俺が女だったとしたらゴブリンに蹂躙されていてもおかしく無かった。
つくづく俺は運が良かったんだと思う。魔獣の肉を食べなければホブゴブリンと同じ土俵に立つことすらも難しかっただろうからな。
さてホブゴブリンAさんもホブゴブリンBと寸分違わず撲殺し、残るはゴブリンジェネラルただ一人……じゃなかった、一体。
仲間を殺されたのに怒りを感じているのか(それにしては仲間のホブゴブリンを盾にしたりしていたよね?)、猛烈な怒気を闘志へと昇華させている。
ゴブリンジェネラルの一挙手一投足に注目しているつもり(勿論、観察に関しては素人なので見逃すところの方が多いだろうが)の俺と燃え盛るエフェクトが見えそうなほど闘志を漲らせるゴブリンジェネラル――先に攻撃を仕掛けたのはゴブリンジェネラルだった。
実はゴブリンジェネラルと見つめ合っている(語弊がありそうな表現だな。勿論、俺にそのような性質は無い)間にも駆け引きが行われていたようだ。具体的にはゴブリンジェネラルが俺に対して【威圧】を発動して動きを鈍らせようとしていたようなのだが、レベル差が大き過ぎたのか全く威圧された感覚が無かった。
ゴブリンジェネラルの牽制は俺の知らぬ間に頓挫していたようだ。……まさか、あの見つめ合いにそれほどの大きな駆け引きがあったとは当事者である筈の俺も想像だにしなかった。……いやぁ、無知って恐ろしい。
ゴブリンジェネラルは【縮地】を発動。いやぁ、流石はレベル28。速い速い。
……まあ、十分目で追えるレベルだけどね。
流石に魔法を詠唱できるほどの時間は残されていないので、いつも通り“魔力纏雷コンボ”で撲殺を狙う。
……おっ、コイツ持っていた錆びた両手斧で俺の振り下ろしを防ぎやがった。まあ、その代わりに錆びた両手斧がポッキリ逝ったからもう使い物にならないだろうけど。
しかし、これだけレベル差があるのに俺の攻撃を防ぐか。流石はジェネラルと呼ばれるだけのことはある。御輿に担がれて踏ん反り返っていたのとは完全に別人(人じゃ無いから別個体?)だ。
これが本来のゴブリンジェネラルの姿なのだろう。ならば、御輿に担がれていた時のゴブリンジェネラルは一体何だったのか? ……クソ上司の典型例とか?
武器を失ったからといって容赦することはない。異世界とは即ち弱肉強食の世界。強き者が全てを手に入れ、弱き者は搾取される……ってよくよく考えてみるとあんまり地球と変わらないな? ちょっと誇張されただけ?
情けを掛けるなど言語道断。古今東西、相手に情けをかけて助けた結果、復讐されて殺されるという話はいくらでもある。……平家一門とか?
それに、相手はゴブリンのジェネラルだ。これがもし超美女
「……さらばだ! 死して我が血肉となれ、ゴブリンジェネラル!!」
とりあえず、カッコいい感じの台詞を呟きから叫びに変える感じで言いながら鍬で横薙ぎする。
「ゴギャ、ゴギャァァァァァァァァァァァァ!! (テメエ、何格好つけているんじゃワレェェェェェ!!)」
ゴブリンジェネラルの言っていることが分かったような気がするけど、多分気のせいだろう。…………ってか、自分が死ぬってのに断末魔を上げるんじゃなくて、俺の格好づけ台詞に対するツッコミ?
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