もしもあなたが小説だったら

はろるど

第1話 「かかっち」(@manganobuta 様)

 漫画が好きだ。絵を描くのが好きだ。持ち込みだってした。

 編集者に「絵がだめ」「キャラが立っていない」そう、言われた。それでも、漫画を描いている。ネット上に日夜アップされる、きらびやかなイラストの数々。「本が出ます、よろしくお願いします!」という、誇らしげなツイート。それらを横目に、自分の絵を描く。


かち、かち、かち、と愛用のペンを鳴らす。


 「ストーリーはいいね」ふっと、耳の底から蘇る声。もしかしたら、そう、もしかしてもしかしたら、小説の方が向いているのかもしれない。そう思って小説にも手を出してみた。そうしたら。


1万以上のページレビュー、数多の応援、100を超すコメント。


反響が、あった。


 嬉しかった。自分のつくった世界に、キャラクターに、ストーリーに、感情移入したり、驚いたり、わくわくしてくれる人が居ることが。


かちっ、かちっ、かちっ!


 それでも、それでも、それでも。自分の世界を一番伝えられるのは、漫画だと信じている。心の中で思い描いた色を、表情を、動きを、その背景まで読み手に一瞬で伝えてくれるのは、漫画だ。


まだ、小さな輪かもしれない。

まだ、厳しくダメ出しされるかもしれない。

それでも、自分の漫画を待ってくれる人がいる。


かちかちかかっち!


 勇ましくペンを鳴らして、私は・・・・・・

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