第46話 *魂への呪殺

 円柱形のカプセルに、王族の正装を着たままの僕。

 よく見れば、その正装のあちこちに赤いものが点在している。


「僕は、この中にいるのは、なぜ」

「あなたの成人記念パーティで、無能は入らないと言って殺しにきた者がいたのです。しかも、強力な麻痺毒や石化、複合魔法による治癒妨害、呪殺を伴った自爆攻撃です。意識不明になったものの呪殺以外は即座に解除できましたが、自爆されてしまった方は、複数から状態の違うものを掛けられてしまい、今現在も解除する方法がありません。時間を経過させると、その呪いのうち強制失血による効果で、失血死や出血性ショックによる危険性が高まるので、この円柱内で時間を止めてあります」


「呪いを解くことは可能なの」

「ある意味、可能ではありますが、この形態を保つのは難しいです。」

「それをやって、僕がここから出られないの?形態が何を指すのか分からないけれど」


「呪いには、転生障害や魂源消去など魂そのものに影響を及ぼすものもあります。魂自体に呪いを掛けられると、魂の浄化率が下がりますし、魂自体の格が落ちてしまいます。この場合は、2つの方法があります。1つは、魂源系統を浄化率が高い魂源近くに投入して、混ぜてしまうこと。当然、自分の意識も魂も吸収されて消えます。もう1つは、自分の魂を割り、割った1つの方に呪いなどを集めて、消却する方法。魂が半分の状況は、不安定なのでなんらかの措置が必要ですが」


「でも、何もしていないじゃないか」

「命に関することは、肉体の有無で決まります。これは、アンデットでも同じで、ガス状の生命体であっても同じです。ただし、魂そのものに対しては、魂が消えれば、全ては終わりです。危険度が大きい上に超精密作業が必要で、王族ではその強大な魔力のために措置は出来ません。また、王族に措置できるのは、王族のみとなっているため、現段階において対応不可です。世代を経ても、魔力と共にこの場所の影響により、対応が難しいのです」

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