第8話 4人で遊んでみる

 しりとりのルールは、最後に“ん”がつかないものと、近藤君の世界で決められているものをそのまま採用した。

 順番は、近藤君、王子さま、私、親衛隊員である。


 「最初はね、しりとりの“り“から始めるんだ」

 「それもルールなの?」

 「うん。始めの決まり事だよ」

 「分かった」

 「それじゃあね。り、り、リス」


 重ねて言うまでもないが、この世界のリスと異世界のリスは全く違う。

 大きさも、凶暴さも。

 ただし、異世界にいたりあったりする物のほとんどは、こちらの世界にもある。

 名称も同じの場合が多いが、中身は違うということだ。


 王子さまが悩んでいる。


「す、す、少し」

「それダメ~。物とか動物とかじゃないとダメなんだ」

「それじゃあ、す、す、スライス」

「うーん、それは、どうなんだろう」

「スライスマシーンという、肉などを薄く切る機械がありますよ。スライスは、良いのではないでしょうか」

「それじゃあ、セーフと言うことで」

「セーフって?」

「ぎりぎり、大丈夫っていうことなんだ」

「じゃあ、スライスで」

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