短編CM 短編は間違っているに違いない

大宮 真晴

短編CM

「良し、完成だ」


 俺は鍋の中の煮物を味見してそう言った。


「良い匂いね。アーリン君、今日のご飯はまだ?」


 例の如くサラは早くご飯が食べたいらしい。


「そうだろう、これはお肉とポテタの煮物だ。あと少しでできるぞ」


 ほろほろとしたポテタに染み込んだ醤油の味とお肉が混ざり合って激しく高め合っている。またオニオルの存在も欠かせない、じっくりと煮込まれたオニオルは甘い。

 これまた食の発達の著しい東方の料理で、やはり素晴らしい。


「とても美味しそうです!!」


 香りに釣られてリリィちゃんが鍋を覗き込んで来た。


「今日もまた美味しそうな料理を作るね、アーリンは」


 別の部屋にいたはずのコールも何故か既に食事スペースにやって来ていた。


「例の白米とも合うので一緒に食べると良い」


 俺はそう言ってみんなに食を促した。


「頂きます」


 いつもサラが先陣を切り、それに続いて俺たちもそう唱える。言うだけで美味しさが増すのだ。


「美味しいわ!! ポテタとオニオル、そしてお肉、同時に口の中へ入れても全然喧嘩しないのが素晴らしいわ」


 取り敢えずサラからお褒めの言葉を頂けたならもうそれは大変安心できる事だ。


 この時俺達は忘れていた。


 グルメ小説じゃないと言う事を……

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短編CM 短編は間違っているに違いない 大宮 真晴 @tassi15

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