ダイハツの失敗
軽自動車は『全長三四〇〇ミリメートル未満・全幅一四八〇ミリ未満・全高二〇〇〇ミリ未満・排気量六六〇㏄未満』の自動車です。大多数が全高以外はほぼ目一杯の大きさで作られています。トールワゴンと呼ばれる車種だと全高が一七〇〇ミリくらいかな? 恐らく走行安定性の関係でその辺りに落ち着いているのだと思います。
全高まで目いっぱい使っているのは昔ながらの軽ワンボックスとかハイルーフの軽トラックなどのキャブオーバーもしくはセミキャブオーバー車、そしてNバンってところかな? とにかく荷物を積んでナンボな車が多いですね。
トールワゴンより更に背が高い軽スーパーハイトールワゴン。ハイトールなんて言われているけれど、それでも規格より少し低い一八〇〇ミリ前後ってところ。スペーシアベースも土台が軽スーパートールワゴンのスペーシアだから全高は一八〇〇ミリ前後。この辺りを狙っていたのかNバンにも少し屋根が低い『+STYLE COOL』ってグレードがありました。やっぱり規格一杯の二メートルまで上げると不具合が多かったのか、それともスタイルの問題か。
Nバンに乗ってる私が言うのもアレだけど、普通に乗るなら全高一八〇〇ミリのトールワゴンで充分広く感じるし、横風に強い分だけ乗りやすいかもしれません。そもそもNバンで『ハイルーフじゃなきゃ荷物が積み切れない!』って人は少数派だと思います。
全高が規格目一杯になっているNバンに乗っているとコーナーで「重心が高いなぁ」「頭が重いなぁ」と思ったり、横風に吹かれると「おおっと!」と慌てることもたびたびあります。全高がNバンより少し低い一八〇〇くらいで軽乗用車ベースで作れば女性でも扱いやすいソフトな軽貨物になるんじゃない?
……と思ったかどうかは知らんけど、ダイハツから軽スーパートールワゴンベースの軽貨物車が出ていました。その名も『ハイゼットキャディ―』
ハイゼットの名が付いているものの軽スーパートールワゴンの『ウェイク』がベースとなったこの車、悲しいほど売れませんでした。ベースのウェイクが今一つヒットしていなかったからかもしれませんが、とにかく売れませんでした。
正直言って『誰が買うんだコレ?』だったからです。
一応だけどアクティバンから買い替えで候補にしていたんです。でも『積載重量一五〇キログラム』で『乗車定員二名』では貨客兼用としてはアウトでしょう。そこそこ広い荷室なのに積載重量が一五〇キロ? 何を積む前提で開発したの? しかも二人乗り? 人が乗れなきゃ荷物も積めねーじゃねーか!
しかも値段が安くなかった。同じダイハツ製のハイゼットカーゴより高かったかもしれない(詳しく調べる気にならなかった)。ハイゼットカーゴは四人乗れて荷物も積める。だったらハイゼットカーゴの方を買うよね。
恐らく同じように思った人が多かったのでしょう。恐ろしく低調な販売台数が続いて生産終了となったみたい。
スペーシアベースは一応だけど後席がある四人乗りで二名乗車時に二〇〇キロ積み。Nバンは運転席以外がマイクロバスの補助席みたいとはいえ四人乗り。荷物は二名乗車で三五〇もしくは三〇〇キロ、四名だと二〇〇キロ積み。
やっぱり『貨客両用』ならこれ位じゃないとね。
多分だけどスペースシアベースはハイゼットキャディーが失敗した原因を調べて作られたんだと思います。クソ狭い緊急用とはいえ後席があるのは大きいよ。
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