外しの美学

 流行のクルマやオートバイではなくて、不人気車や実用車をカスタムして乗る人たちをチョコチョコ見ます。豪華なキャンピングカーじゃなくて質素な貨物バンに寝袋とキャンプ用品を積んで車中泊とか、ライトバンをチューニングしてバカッ速にするとか。ハコスカ・ジャパンと呼ばれるスカイラインは一時期グレードによってボデーの長さ(ボンネットの長さ)の違う車種が有って、六気筒のGTではなくてファミリーグレードの四気筒モデルをチューニングする人が居ます。


 バイクだとモンキーやダックスじゃなくて実用車のスーパーカブをカスタムしてる人が居ますね……って言うか世の中スーパーカブが多すぎるぞって気がしますが。外見をいじったりモンキーのパーツを流用してカリカリにチューニングしたり。バイク雑誌を見てると本当に驚くような美しく改造された車体から、小汚い外見なのにカリカリにエンジンチューンされた個体まで色々なカブを見ます。


 スクーターは詳しくないけど実用車のホイルベースを伸ばしたりローダウンした車体が紙面をにぎわせていますね。


 クルマやオートバイをカスタムする人間の根源にあるのは『目立ちたがり』だと思うんですよ。普通に格好良いクルマやオートバイを買えば良いのに、格好悪いベース車を専門部品も無いのに選んじゃう(カブは山ほどあるけど)のは『外しの美学』ではないでしょうか?


 主流から外れるけれど格好良くする、道は険しいけれど格好良いと思います。

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