住友ダンロップキャリパー


『京丁椎の真夜中MIDNIGHT∞』より編集の上で転載


 Stayhomeして調べた事。


 仕事が午後五時で終わる今日この頃、京は整備士時代の先輩に頼まれて調べ物をしておりました。古い車のブレーキ部品です。シールキットって言ってディスクブレーキのゴム部品なんだけど、まぁ古い車だから純正部品なんて無いし、デッドストック(当時の部品の在庫)も無い。有ってもゴム部品だから劣化してる。そんな部品を捜してました。


 今はブレーキ事業から撤退したのかな? 国産初のディスクブレーキキャリパーの『住友ダンロップキャリパー』って奴です。ガーリングタイプの対抗二ピストンだっけ? 


 で、調べたら五十年前のディスクブレーキって日産だろうがトヨタだろうが基本的に同じ部品だったみたい。整備士資格を取って二十年が経つけど初めて知ったよ。しかもいすゞも一緒だったとか。ホンダも同メーカーのサイズ違いを使ってたり。


 トヨタ二〇〇〇GT・トヨタ一六〇〇GT・プリンススカイライン二〇〇〇GT・日産フェアレディ・いすゞベレット・あたりに使われてたらしいね。


 で、結局トヨタから部品は出ないから日産系の旧車ショップが販売してるのを仕入れて交換したんだけど、今じゃ考えられん事だよねぇ。コロナ云々で時間が無きゃ調べる事が無かったし、調べようとも思わんかった。時間が有ったからジックリ調べられました。一つお利口さんになったよ。


 今で言えば高級スポーツカーやバイクのブレーキにブレンボが装着されてるような感覚か。メーカーが独自に設計するよりもブレーキメーカーから仕入れる方が開発費と節約できるからね。


 少量生産車や特殊車両の部品って汎用の物が使われることが多いらしい。それと一緒だな。


 え? 『何を新型コロナとつなげるの?』ですって? うん、実は古いクルマの名前が『コロナ』なんだな。実際は『コロナであってコロナではない』困った車なんだけど、詳しくない人が見れば旧型コロナだ。


 ※文字ラジオ掲載時には『新型コロナ対策でStayhome~』みたいな事を言ってました。


 ブレーキ部品や細々した所に名車トヨタ二〇〇〇GTの部品が使われていました。二〇〇〇GTの部品取りにされた悲運の名車です。


 ちなみに先輩が修理した旧型コロナ、スカイラインのS54Bをレースから引きずりおろし、ハコスカGTRのデビュー戦でゴールに先着したけど走路妨害で失格を喰らった悪役だったりします。それがプリンススカイライン・日産フェアレディの部品で直るんだから何とも皮肉と言うか、運命の悪戯と言おうか……。


 ん? これって真夜中MIDNIGHT∞でやるネタじゃないな。走り屋じゃ無いクルマ好きがふわっと考えるエッセイに転載するか……。


 そんな訳で転載です。



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