アホ乗り物① アーゴとスーパーダイナ

 さて、『オーヴァー・ザ・1/4マイルズ』はボチボチ読んでおります。感想はもうちょっと待っていただきたいのですが、途中まで読んで「結構リアルだな」って思いました。感想は全部読んでからって事で。


 まぁそれはさておき。


 先日、職場で新年会が有りました。家庭的な会社ですので和気あいあいしたものでした。で、京の隣に座ったのはメカ好き車好き、でもってちょいと通好みな映画も好きなYさん。で、話題になったのは『アホな乗り物』、略して『アホ乗り物』です。


「京さん、アーゴって知ってます? あれって『アホ乗り物』ですよねぇ」

「アーゴ? どんな車?」


 名前を聞いてもピンと来ません。


「スウェーデンかどこかのクルマで、水陸両用のタイヤが六つとか八つ付いてる奴です」

「ん~っと、(タミヤの)ランチボックスみたいなタイヤが付いた奴かな?」


 ちなみにアーゴってこんな車。

https://www.youtube.com/watch?v=zWT5GOJRbq4


「そうそう、アレってアホ乗り物ですよねぇ」

「ああ、アレはアホ乗り物やなぁ~」


 ※念の為に記しておきますが、京は関西在住です。関東の方は脳内で『アホ』を『バカ』に変換してお読みください。


 実はけっこう実用的(災害現場で活躍したりしています)なんですが、普段乗りで使うには少々面白すぎるクルマです。特にタイヤが八つも並んだ足周りが面白い。サスペンションは無くてタイヤの空気圧を調整して好みの乗り心地にしたり、走行性能にするそうです。曲がるときは左右の車輪に回転差を付けて曲がるそうです。バックフォーや戦車と同じです。その場で回転出来ちゃいます。


「男やったら一生に一度は『アホ乗り物』を所有するべきやと思うんですよ」

「うん、やっぱり『アホ乗り物』は男のロマンやな」


 京に限らず男には自分の世界が有るのです。例えるならば空を駆ける一筋の流れ星のようなものでしょうか。


 ちなみにアホ指定となる明確な基準は有りません。ただ、『そこを走っている事が不自然』だとアホ乗り物と言っても良いのではなかろうかってのがYさんとの共通の意見です。ちなみにYさん曰く三輪バイクのジャイロシリーズは「アホ乗り物ではないけれど仕事以外で乗っているとアホ寄りの楽し気な乗り物」だそうです。


 このYさん、車の買い替えを検討しています。家庭の事情で積載重量四〇〇キログラム以上で尚且つ八〇センチの高さの荷物を積める車が欲しいそうです。とうとう何かを拗らせてとんでもない事を言い始めました。


「そう言えば『スーパーダイナ』はアホ乗り物ですねぇ」


 スーパーマーケットではありません。トヨタのトラックです。トヨタって真面目で味気ないけれど使えるクルマを作るメーカーなイメージです。でも時々やらかします。スーパーダイナはダイナの四輪駆動モデルです。極少数が製造され、消防署に配備されました。一般にも売られたそうですが、生産総数七台。ケンメリGTRの一九七台やトヨタ二〇〇〇GTの二三八台どころではありません。


 しかも単なる四駆のトラックではないのです。何がスーパーかと言いますと、一言で言えない超スペシャルシャシなのです。トラックなのに四輪独立サスペンション・前後インボードディスクブレーキ・ハブリダクション・四輪操舵なのです。


「一般人が二トン車の高床四駆に乗る時点でアホ乗り物なんやけど、その上を行くな~。(自衛隊の)高機(動車)と同じシャシやもんなぁ」


 そう、自衛隊が使っている高機動車と基本的に同じシャシなのです。下手なシティオフローダーやSUVが逃げ出す高性能なシャシなのです。

https://www.youtube.com/watch?v=BYE_BPkDHTE


 この高機動車流用シャシは『高機動シャシ』と呼ばれてマニアが涎を垂らすアホ乗り物。そしてトヨタはこのシャシをマイクロバスにも使っていました。


「自衛隊払い下げの高機動車と中古のコースターを組み合わせて四駆のバスを作れんかなぁ……」


 とうとう京とYさんの妄想は危ない領域に達したようです。


 もしもトヨタ関係者の方がこのコラム(?)を読んでいらっしゃいましたら是非とも高機動シャシの民間車への流用をお願いします。ダイナとかコースターが高機動シャシやったら面白いやろうなぁ(笑)


 Yさんと京は『アホ乗り物談義』を仕事が早く終わった時にチョコチョコっとします。またアホ乗り物の話をしたらこちらで紹介しますね。

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