第52話【戦地へと降り立つ一家と出迎えの刺客達】


魔界超特急まかいエクスプレスから降りた魔王家族は、身元がバレぬ様三人共に変装をすると、すれ違う人々へ丁寧にお辞儀をしながら入場口へと歩みを進める。


『ここが〝幽怨血〟か――――入り口からして、壮大さが出ているではないか……』


開園時刻をズラしたおかげで、並ばずに入れそうだが影武者自身、胸の高鳴りが止まらなかった。そう――――まるで二日酔いで不整脈の如くだ。


一家は初めての場所のせいか入り口前で立ち尽くすと、見た目は柔らかい印象が漂い、とても愛くるしい着ぐるみ製のキャラクター達が、颯爽さっそうと近付いてきた。


『ようこそ皆さん、我はマオくん!!この〝憎虚憎虚ニコニコ幽怨血ゆうえんち〟最高で最狂の支配者さ!!』


『こんにちわ、私はマッニー!!この〝幽怨血〟でマオくんと共に、日々入獄してくる奴隷達を甚振いたぶるのが趣味なの――――』


【母上へ ここが年間入獄者数、NO.1の〝絶望と破滅の国〟みたいだよ!!】

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