第51話【壁に耳あり障子にメアリーが沢山いる気がする】


〝ゆうえんち〟という響きだけで、何だか腹が減り、ご飯が進む気がする影武者は、魔王様の娘であるフレデシカに対し、お手本の様に答えた。


『〝ゆうえんち〟とは即ち――――人々を引き寄せる魔力があり、とっても素晴らしい物ではないか?』


 影武者のナイス返答に聞く耳を持たないお転婆娘は、窓から見える遠い景色を指差して言った。


『パパ上、ママ上ー!!見てみて~魔王城パパのしごとばがあんなに小さく見えるよ!パパ居なくて、みんな大丈夫かなぁ?』


『えぇ、そうね……今日と明日は魔王城は臨時休業――――でも大丈夫よ?死天王の人達はだから、魔王様パパがいなくてもやってけるわよ』


 特別個室で魔王親子が仲良く話をする中、あっという間に時が流れ、終点であり目的地でもある〝憎虚憎虚ニコニコ-幽怨血ゆうえんち〟に到着した。


 魔王親子から数部屋程、離れた席では怪しい人影が耳を澄ませ、双眼鏡を使い観察するように見つめていた。



【母上へ おいらワクワクすっぞ!!】

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