第44話【伝説の勇者と最強の魔王】
本物の娘と妃を歴代の魔王様や、その家族に紹介するため、影武者は挨拶周りで席を順番に歩き回っていた。
『お~魔王君!!元気にやっているかい?』
『嫁も娘も綺麗じゃないか~先程のサプライズは感動したぞ!!』
『あら、フレデシカちゃん!!お母様より大きくなったわね~オホホホホッ』
自他共に認める本物そっくりの影武者だから仕方がないが、ここまで誰も気付かない事に、少しだけ怖さと喜びが半々の気持ちになっていた。
そして挨拶周りも終盤となり、人間界代表の【フローラ姫】の席へ来てしまった。
『あら?……勇者国のフローラ姫じゃない!?わざわざ遠い所までありがとさんねぇ』
『こちらこそ、こんな素敵なパーティーにご招待下さりありがとうございます!!まるで心が洗われ、生まれ変わった気分です――――』
(先程まで【覇将】にサイコロステーキにされていたから、本当に生まれ変わってるよ!!)
妃様がそう言うと、姫は笑みを浮かべ会釈をし、両手を差し出し握手を交える。
人間と魔物、姿形は違えど同じ命であり、過去の凄惨な思い出は互いに捨て 、手を取り合い共存の道を歩もうとしていた。
観客はそれぞれの王妃の歴史的な瞬間に、今日一番の拍手をしようとした。
その時だった――――扉が突然開き、魔物とは違う人影が後光に包まれながら現れたのだ。
影は腰に
『皆の者耳を澄まして良く聞け!!私は人間界代表【勇者ゼルピトス】であるぞ!!』
【母上へ ついに勇者が来たよ!!】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます