第19話【1人も2人も変わらないよね?】


「ボスッボスッ!!」と鈍い音と甲高く狂喜を感じる声が部屋に響く。


 フレデシカは、遊んでいるつもりだろうが肝心のお姫様は、最初こそ震えるように動いていたが、さすがに空気を読んだのか動かなくなった。


(頼むから動かないでくれよ……?)


「我が娘よ……流石だ、よくぞ気づいたな。その中には、我がペットである「極炎サラマンダー」がおる。もう許してやってくれ」


 そう言って、暴れまわる娘をベットから降ろすと、記念日パーティーの準備を手伝わせるため部屋から出す。


「ホッと」ひと息もつけず、先ずは姫様の安否確認を……

 布団を捲ると、気持ちよく眠っているかの様に手を胸辺りで組み合わせていた。

 口元からは、美しい赤色が枕を着色し、まるで花でも咲いているように優雅さを演出していた。


【嘘みたいだろ?死んでるんだぜ?】


 もう一度言わせて


【嘘だろ?死んでないよね?】


【母上へ、姫様むすめさん王妃おやの遺伝子受け継ぎ過ぎじゃね?】

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