第18話【女の勘は、9割当たる】

 正気に戻ると姫を起こさぬようにゆっくりと起き上がる。


「いかんいかん、こんな所王妃様に見られでもしたら大変なこ……とに?!」


【フレデシカが頬杖を付いてニコニコとこちらを見ている】


【正直に話しますか?】


 ①【死んでから話す】

 ②【死んでも話さない】←

 ③【泣きついて仲間にする】


「フレデシカよ……おはよう」

 何事もなかったように毅然きぜんとした態度で振る舞うが、布団の中の手は震えていた。


「おはようパパ上!!汗びっちょりでどうしたの?」

 自然体な娘は、躊躇ちゅうちょなく痛いところを突いてきた。


「いや……実はだな……」


 そう言いかけた時、娘は気づいてしまった。魔王影武者の横でうごめく物体に。


「パパ上の横にモンスターいるよ!!退治だ!!」


 そう言って膨らみに馬乗りになると、「ビシバシ」と無邪気な打撃パンチを放つ。


(もうやめたげて!!お姫様のライフは0よ!!)


【母上へ、無邪気ゆえの暴走も怖いもんだね】

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