遥かなる遺言 著 和之様

 始めに断っておきますが、これはあくまで個人の感想ですので、文章の作法だとかそういった些事にはあまり口を挟みませんので、ご了承下さい。


 文体は大分エンタメ寄りなので、ネット小説としてはかなり人を選ぶ作品だと感じました。

 好きな人は好きだと思います(その逆も然り)。

 話の内容としましては、正直、火曜の夜9時からテレビドラマで放送されていても違和感がない出来だと思います。

 

 まず、近作の案内役である野々宮裕慈ののみやゆうじの職業と人柄の説明から入り仕事として今回の物語の主役となる長沼ながぬま家に係りを持つことになります。

 完全歩合制の葬儀屋さんって言うのはすごいな、というのは私の個人的な感想です(それが、ポピュラーなのか、イレギュラーなのかは門外漢なのでわかりませんが)。

 野々宮のぼんやりした性格や彼自身の背景にある物語がでてこないのは彼が読者を作品世界へ案内する役においているからだと理解しました。

 この作品の主役はあくまで富豪・長沼とその孫娘・礼子れいこ、それと長沼の愛人の忘れ形見である永倉井津治ながくらいつじであるからです。

 この富豪の人生が――いかに戦時中だったとはいえ――なかなかに壮絶です。

 ネタばれになるので、ここでは語りませんが。

 始めのうちは情報が錯綜していて、はっきりとしなかった長沼の過去も物語が進行するにつれて明らかになっていきますが、この話の主軸はそこではなく、明らかになる事実に対する個々人の心境の変化にあると思います。

 それぞれの決着のつけ方、そして、亡き長沼氏の自らの人生の決着の付け方に人情を感じざるを得ませんでした。

 当時のソ連って今の中国とかと比べ物にならない程にヤバイですからね。

 スターリンの頭がかなりおかしいので、本来は綺麗ごとの共産主義に目を付け改悪した結果があれですね。

 酷い管理社会の誕生です。

 純粋な綺麗ごとってクソに利用されてしまうから本当に恐ろしいです。

 話がそれましたね、失礼。

 あとは、作法が身につけば完璧だと思います。けれど、無理に治す必要はないと思います。

 趣味なのであれば、好きなものを好きなように書くのが一番いいですので。


 最後に全力で自分のことを棚に上げたところで今回はこの辺で。


 https://kakuyomu.jp/works/1177354054888456462


 ※追記

 作品URLを張っておきます。


 

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