38.就職活動編
「この包みは昼食用に
「わ、おいしそう!こっちは紅茶と…林檎の包み焼きだ!」
「お菓子は三時のおやつに食べてくださいね」
「嬉しい! 林檎の包み焼き大好きなの、ありがとうサクマ!」
東地区の狩人組合in医務室入り口前。
今日の医務室には怪我人は無いようで、フィエルさんは勉強、ケット先生様は薬草片手に書類へ集中しているようだった。
市場で買ってきた昼食用のパンと焼き菓子を手渡すと、フィエルさんは輝くような笑顔を見せてくれた。 一緒に食卓を共にしている彼女の好みはうっすらとだがわかる。 好みの焼き菓子で安心した。
「うわ、甘ったるそうな菓子だね」
ケット先生様が手元をのぞき込んで眉間に皺をお寄せになった。 甘い系のお菓子はお好みではない様子だ。 だが、俺は知っているぞ。 毎朝、又は帰り際に見かけるケット先生様の机の上に置かれている物を。
「そんなケット先生様にはこれを」
「うん?」
ケット先生用に買ってきた紅茶茶葉とウォッカを差し出す。 途端、冷ややかな薄い緑色の片目がぱちくりと瞬いた。
「…ほぉ、わかってるじゃないか、小僧。 そろそろ茶葉と酒を使い切る所だったな、ありがたく受け取っておくよ」
にやりと薄い唇を上げ、ケット先生様は俺の手から酒瓶と紅茶茶葉の袋を回収した。 どうやらお眼鏡に適ったようだ。
先生様が紅茶にお酒を入れて飲んでいるのを何度か目撃していた。 落ちぶれていようが底辺であろうが元絵描きの端くれだ、多少の観察力はある。
いやー、この世界はいいね。 見目十歳前後のクソガキの俺でも「お使いです」って言えばお酒が買える! これで少しは好感度が上がっただろうか。
「用は済んだか? じゃあ、非力な小僧は去れ」
「……はい」
酒と紅茶では好感度回復には足りなかったようだ。 ケット先生様厳しい。
「サクマ、また夕方にね!」
「はい、フィエルさんも勉強とお手伝い頑張ってください」
OK!と言わんばかりにフィエルさんが片腕をぐっと構えた。 頑張る女の子ってかわいいよな。
大人しく狩人組合の中庭にあたる場所へと退避した。
休憩場所として設けられた中庭には、整えられた草花や運動が出来るスペースと年季の入った木のベンチもある。
木製のベンチへ腰を落とし、残りの焼き菓子と昼食用の包み紙を二個分を鞄へと収めた。 この鞄には≪空間拡張≫の術式の他に《重量軽減》、《腐敗防止》、《時間経過防止》の術式効果付与もされている。 出来立ての料理を入れておけばいつでもアッツアツを食べれる訳だ。 便利な魔道具様々である。
中庭からは医務室の窓が見え、ケット先生の姿がチラリと見えた。
戦力外通知を受けてからというもの、中庭のベンチの上が俺の定位置だ。 高価な薬品の恨みは根深いと言うべきか、俺はそれなりに術式も使えるし、ある程度サポートも戦闘もできると思うのだが。
「んー…何冊か本でも買ってくるべきだったかな…」
青空を横切る小さな野鳥を見上げてぼんやりと呟いた。
自主的に周囲の見張りをしているものの、基本はただただ待機しているだけというか、正直に言って暇だ。
未だ午前十一時、夕方まであと七時間はある。 この待機時間を有意義に使えないのが最近の悩みでもあった。
(…何もしないのは苦痛だ…)
死ぬ前はいつだって時間に追われていた。 外出も友達と遊びに行くこともできないぐらいに時間に追われた生活だったが、唯一良かった面があるといえば。
(忙しければ忙しいほど…よそ事を考えなくてよかったんだよなぁ)
目の前のタスクを処理し続ければ、お先真っ暗な未来から目を背けることができた。 人はそれを現実逃避とも言うが。
まとまった休みを貰えた時の事。 忙しい反動で体調もすぐれない。 丁度いいとガッツリ休もうとしたのだが、一日後には急いでやらなくてもいい仕事をし始めた。
なんだか落ち着かないからだ。
ぼんやり横になっていると、数年後のことや過去にやらかした失敗談、恥ずかしい出来事まで次々に思い出したり考え始めてしまう。
そういう時にこそ、溜まった漫画や映画にアニメを見たり読んだりするべきなのだろうが、もはや疲れに疲れて見る気力すら消え失せてしまうのだ。
悪化すれば、いつか独りきりの部屋の布団の上で死ぬんだろうな…とメンタルが底辺へと落ち込む。 実際そうやって死んだけど。
仕事をする以外どこかへ行きたいとか、誰かと一緒に遊ぶとかもしなかった。
そんな相手を故意に作らなかったとも言うべきか。
(…いやいや…ぼんやりするのもスローライフの一環…!)
慣れだろう! と思いつつ、俺は鞄から本を取り出した。 気を紛らわすために眼精疲労を蓄積しようと思う。 現実逃避にはやはり本が最適だな!
取り出したのはドミナシオンで買った魔物図鑑だ。 旅すがら目を通していたが、色々と面白い事も書いてあって何度読み返しても面白い。
写実的な挿絵を眺めながら読み進めていくと、見目だけはやたらとかわいい兎型の魔物の項目が目に入る。
兎型の魔物は平原や山、森林地帯に分布は幅広く、目撃数も多いメジャーな魔物だ。 強靭なまでの跳躍力でこちらの攻撃を回避し、凶悪な鋭い歯で攻撃をする。 その噛む力は人の胴体を一瞬のうちに砕くほど力があるとか。 この世界の兎怖。 兎型の魔物の肉はとても美味で毛皮も暖かくて人気の一品とも記述があった。
その他にも狼型の魔物や(これは道中エンカウントした)、羊型、山羊型、鹿型、熊型、鳥型といったポピュラーな魔物も多い。
浜辺に近い街では魚型の魔物も出るようで、漁師さん達の網が被害にあって困ることがある。 そんな時に出番となるのが槍を使いこなす海狩人の出番だそうだ。 槍一本で大きな鮫型の魔物を一本釣り、なんて逸話もある。
一般的に知られている魔物の姿形はよく知る動物型が多い。 身近な脅威の対象である魔物だが、その多くは狩人達に狩られて肉は食糧に、爪や牙、内臓は薬にとさまざまな用途が発見されたり考えられていた。
そんな魔物が蔓延る世界で生きている人々はタフというか逞しいというべきか。
更にこの図鑑に載ってない魔物もいる。 上級の魔物の存在も確認されているが、人がおいそれと入れないような森や山の奥地、山脈の深い所に生息していて情報が少ない。
それらと退治して生き残った狩人達の証言によれば、一般的に知られている魔物とは数段違う力と凶悪さを兼ね備えた存在だったと図鑑には記されてあった。
――まだ見ぬ魔物かぁ、魔術っぽい力を使う魔物もいるってどこかで聞いたな。
図鑑を眺めながらふと思いつく。
(…俺も仕事をすればいいんじゃないか?)
暇なら仕事をすればいい。 お金も稼げてメンタルも保たれる、一石二鳥じゃないか。
例えば狩人職はどうだろう。
手っ取り早く稼げる職業ランキング一位は狩人職だ。 月ごとに稼ぎの一割を狩人組合に支払わなければならない点は痛いが。 好きな時に狩り、好きな時に休めるという比較的に自由な職でもある。
もちろん国の防衛の一端を担う為、狩人組合からの依頼や緊急時の出動命令が出れば魔物と戦うことにもなるが…。
戦力外通知を食らった俺が側にいたとしても邪魔扱いされてしまうし、フィエルさんを医務室に送ってから夕方までの暇な間、俺が狩りで魔物を狩って稼いだり、余裕があれば魔石採掘したりできるじゃないか。
(剣で戦うことはできないけど…俺には魔術がある)
魔術を応用して屈指すれば、俺でも魔物を狩れるはずだ。 デウチ村で狩った黒猪の時のように。
「…うん、いいかもしれないな」
「何がいいんだ?」
「暇な時間に稼げば効率が――…オネットさん?」
「気づくの遅すぎ」
いつの間に来ていたのか、俺の隣には鮮やかな赤毛がまぶしいイケメン女子、オネットさんが座っていた。
「ちゃんと寝れましたか? まだ昼には少し早いんじゃ……あれ、もう昼すぎ…!?」
「サクマは本読んでると周りを意識しないからなぁ。 通信にも気づかなかっただろ?」
懐の時計を見れば午後十二時半になっていた。 流石は本、時間泥棒である。
ついでに通信魔石を見ると、オネットさんから「起きた、そっちに行く」というメッセージが受信されていた。 いちいち見なければならないのが割と不便。 メッセージを受信したら音か振動する機能をつければよかったな。
油断大敵だぞと、にやにやしたオネットさんに頬をつつかれた。 頬っぺたをぷにぷにするのやめい。
「…なんか、食べ物の良い匂いがするな」
「っ、ちょ、嗅がないでくださいっ」
ふと、野生動物のようにオネットさんが鼻を鳴らして俺の首元を嗅ぎ始めた。
ブツは鞄の中にしまってあるというのに彼女の鼻は野生動物並みか? 俺は慌てて焼き菓子とパンを鞄から取り出した。
「匂いの元はこれですよ、お昼用に具材がたくさん挟んだパンと焼き菓子です。…オネットさん、どうせまた朝ごはん食べないで来るだろうって」
「お、やった、腹減ってたんだ。 肉入ってる?」
「お肉たっぷり入ってますよ」
市場で買った時、オネットさん用にと肉多めでと注文したのだ。 フィエルさんには野菜多めで俺はデフォルト注文。
俺の手からひょいと包み紙を持ち上げると、オネットさんは包み紙を半分器用に引っぺがし、大口を開けてがぶりと齧りついた。 いつ見てもイケメン食い…もとい、気持ちのいい食べっぷりである。
んぐんあぃ!と、オネットさんが咀嚼しながら何か言っているが、多分、うまい!と言ったのだろう。
水気がないと喉詰まりそうだ。 寄宿舎で汲んでおいた水筒をそっと差し出す。
「どうぞ、中身はただの水ですけど」
「ん、あいあお」
「どういたしまして。 あ、胡桃入り焼き菓子もありますから。 …口の端、タレがはみ出てますよ」
「ん、むぐ、…ぷはっ…サクマは食べないのか?」
「朝がっつり食べたので…あとで食べます」
ぺろりと行儀悪く口の端をなめる彼女を横目に、俺は少しドキドキしながら包装された箱を手渡した。
「これ…頼まれてた双眼鏡です」
「おお、助かる! どんなの買ってきたんだ?」
オネットさんは食べかけのサンドをガブリガブリと三口で食べきり、箱の包装紙を手早く剥がし始めた。 木製の蓋を開けると、そこには真新しい黒紅色の双眼鏡が太陽光を受けて黒光りしている。
「へえ…見目より軽いな」
「はい、性能もかなり良いと店長から聞きました。 お勧めの一品らしいです」
双眼鏡を持ち上げてたり覗き込んだり、使い心地を確かめているようだった。 ひとしきり触った後、オネットさんは感嘆の声を上げた。
「うん、前使ってた物より倍率が高いし、鮮明に見えるな。 良い双眼鏡だ」
「そ、そうですか…」
使うご本人から合格点が貰え、俺はホッと胸を撫で下ろす。 が、
「これ、山人族の品だな、刻印がある。 すっげぇ高いだろ」
さっそくソコにお気づきになったようで。
「は、はい…山人族の品で…たしかに良い値段で…」
「いくらだ?」
「普段から色々とお金出してもらってるので…その…お礼替わりに貰ってください!」
「…ああ?」
にっこり笑顔でお代金はいりませんというポーズをした。 だが、俺の反応が気に食わないのか、鮮やかな緑色の瞳がこちらをじっと見つめてきた。
「後払いするって伝えただろうが」
「よっ、予算額がわからなかったので…だからって安い物を買うのも違うというか…買うなら丈夫で長持ちの性能が良い物のほうがお得というかっ?!」
「いくらだよ」
「…イクラデショウネー」
「なあに目そらしてんだ、ああん?」
はぐらかそうとした瞬間、首と腹にオネットさんの片腕が回って抱きかかえられてしまった。 ぐぇっ、首っ、首が閉まるぅ!
「おら、吐け。 いくら払った?」
「うぐぅ、だ、代金、いりまひぇんっ!」
「お前なぁ~なあにチン毛生えてない癖にそういう変な気遣いするんだよ、ほら、いくらだ~?言っちまえ」
「うう゛ぐぅ~~~っ!」
うっせぇわ!チン毛関係ねぇだろうが!
オネットさんの腕から逃れようと体をねじるが、彼女の両腕は細い癖にびくともしない。
「なら、言うまで喘がせてやろうか」
「――は?」
ふと耳元で囁かれたオネットさんの艶っぽい声。 思考が固まった瞬間、彼女の指先が俺の体を這いずりまわった。
「うあっ!?ひゃっ、あっ、あはっあひははっ、オネッ、うあははっ、っ!」
「言うまでこちょばしの刑だぞ、おらおらおら」
「ひんあ゛あ゛~~っ!?」
俺は全身をオネットさんにくすぐられて盛大に喘ぎまくった。
「…変なところで頑固だな、サクマ」
「はあっ、はあっ…!…ほ、ほっといて…くらはいっ…」
茹で上がったホウレン草のごとくグッタリした所で、オネットさんが気まずそうな顔で解放してくれた。
呼吸は乱れ、汗も滲み全身が熱くて仕方がない。 それでも俺は頑なに金額を言わなかった。 どうだ、勝ったぞ!
「……本当にいいのか? こんな高い物…お前が稼いだ金だろ? その金を自分以外に使ってどうすんだよ」
呆れたような顔でオネットさんが言う。
そりゃあ、今の所こういうタイミングでしか返せそうにないからだ。
「…おれ、今、タダ飯食らいの厄介者じゃないですか」
「……うん?」
ただただ幼い子供のように可愛がられ、抱き枕にされてはタダ飯を食らうという生活。 正直、申し訳なく感じてしまう。
タダ飯食らい、役立たず、金食い虫、親の脛かじり、これらのワードは心に刺さるものがあった。
まだまだ十代の彼女達におんぶにだっこという現状は如何なものなのか。 それに、
いつまで一緒に居られるかわからない。 なら、少しでも彼女達の手助けになりたいと思った。
「サクマさぁ…」
「は、はい…?」
オネットさんに背中からむぎゅりと抱きしめられた。
「あたし達、サクマを厄介者だと思わせるようなことしたか?」
「!い、いいえ!そんなことは…!」
「なら、変な気遣いすんなよ、あたし達は好きで一緒にいるし――頼りにしてんだ」
俺を後ろから抱きしめ、いつもより優しい声でオネットさんは囁いた。
「旅の間も城の中でも、何かとあたし達の側に居てくれてただろ。 …あたしらを守るように」
「………」
「通信魔石も作ってくれて…魔道具も分け与えてまでさ。 通信魔石なんて個人が持てるような物じゃないんだぞ? 国とか狩人組合みたいな組織が保持する程の貴重な魔道具だ。 それをお前は簡単に作り直してあたし達に渡しちまうし。…ふっ、毎朝フィーに髪の毛いじくりまわされても文句も言わずにさ」
ゆるりと彼女の手が俺の頭を優しく撫でた。
「フィーとあたしに心遣いしてるって、わかってるよ」
だから、お前は気にせずどっしり構えとけ。 そうオネットさんが耳元で言った。
「…………」
優しくしているのは――下心があるからだ。
役立たずだと、邪魔だと思われたくないから。 割と必死に、自分にできることはないかと探している。
「まあ、お前の年の頃なら逆に守られて当然なんだけどな」
「…そ、れは…」
中身は三十五歳なんです、とは言えずに言葉が詰まった。
「ん?…ああ、サクマは子供扱いされるの嫌がるよな、よっと」
「おわっ!?」
後ろ抱きにされていたのが、ひょいっと向き合うように抱えられてしまう。 鼻の先に緑色の瞳が優し気に微笑んでいた。
あ、今、すごい甘やかされてる。
デレだ、稀にしか見れないオネットさんのデレモードだ。
いつもは俺をからかったり、フィエルさんがご機嫌になるように風呂場に俺を連れ込んだりする彼女だか、稀にこんな甘い顔をする。
そういう所ですよ、イケメン女子よ。 嫌でも顔が熱くなって仕方がない。
「ふはっ、サクマの顔真っ赤。 林檎みたいだな」
「…うぐぅ…」
「くくくっ、わかったわかった。 双眼鏡使わせてもらうよ、ありがとなサクマ」
ストンと横のベンチに降ろされ、ワシワシと頭を撫でられた。
そして彼女は渡した双眼鏡を大切そうに鞄へとしまい込む。 その嬉しそうな顔がなんだかくすぐったく感じた。
――恥ずかしいやら嬉しいやら、俺はまた申し訳なくなってしまう。
(…狩人職やりたいんですって言ったら…確実にオネットさんに止められそうだな…)
子供はダメだとか危険だとか言いそうだ。
うっすら察してはいるが、オネットさんは割と過保護な所がある。 狩人を目指すなら事後報告で押し切るべきか。
「そいや、さっき何独り言呟いてたんだ? 暇な時間とか効率がどうのとか」
「あ、えーと…」
ギクリ。 なんで今それを聞くんですかねぇ。
「…フィエルさんを待っている間が暇というか…警護の頭数に入れられてないのなら…簡単な仕事をしようかなー…なんて…」
「簡単な仕事ぉ?」
オネットさんの眉がピクリと上がる。 お前できんの?と目が言っている。
「子供でもできる仕事あると思うんです。 ほら、皿洗いとか掃除とか…」
俺の必死の誤魔化しトークよ。 そんな俺の嘘に騙されてくれたのか、オネットさんは難しそうな顔をした。
「んー…サクマは医務室の先生に門前払いされてるもんな。…つーかあの先生は子供嫌いってだけだろ。 前にも似たようなことされたとかで根が深そうだったし」
「でしょうね…献上品のお酒と紅茶を捧げても駄目でした」
「お前も頑張るなぁ」
そりゃーこちとら必死なんで。
「そうだな、いいんじゃないか? サクマがしたいならやっても。 ただ、無理はするなよ? 無理して稼がなくても飯ぐらい食わせてやるからさ」
「…は、はい…」
「言っとくけど。 あたし達はサクマに何度も助けられてきたんだ。 コレぐらいはさせてほしいんだよ」
そう言って、オネットさんに頬をぷにりと突かれた。 君達揃って俺の頬っぺた突くの大好きだな。
とは言え、俺は何もしないままの生活は性に合わない。
(オネットさんにバレないよう、狩人資格を取らなきゃな…)
それからオネットさんは医務室の隣にある備品室で待機護衛を再開し、俺は医務室から少し離れた中庭で周辺警護を自主的にやって夕方まで過ごした。
まあ、座ったり寝転がったりして今後の計画を考えてただけなのだが。
その日も不信人物の目撃や密偵の襲撃も特に無く、夕方には三人揃って寄宿舎へと帰ったのだった。
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