第62話 睨み合うのなんか大っ嫌ぃ!



「では朔夜様、行って参ります」

「。。。行って来ます」




 ババア偽母さん形式かたちだけの挨拶を済ませたみこは、朝からとてもイライラしていたイヤな気分だった


 ぅぅん。

 お姉ちゃんがね、いつまで経ってもあの偽母おかあさんを殺しても良いよ♡って言ってくれないからとか、挨拶しに行ったババアお部屋が今日も怪人スゴく臭かったから。。。とかじゃないの。


 久しぶりに変身した魔法のドレス。。。

 以前まえは、鮮血色の戦乙女最強の魔法少女と呼ばれていたお姉ちゃんとお揃いで、紅色が綺麗で可愛いドレスだったのに。


 それが今じゃ、黒さが一層増えてなんとなく可愛くない!


 せっかく義姉ちゃんに、『みぃちゃん可愛いね♡今すぐ食べてしまいよく似合ってるよたいわ♪』っていっぱい抱き締めて褒めて貰おうと思ってたのに、こんなんじゃ全然可愛くないよ!!!




「みぃちゃん、どうしたの?やっぱり闘うのは怖い。。。?」


「ぅぅん、そんなこと無いょ?大丈夫。。。」




 そんなご機嫌ナナメなみこのちょっとした変化にも、お姉ちゃんはすぐに気が付いて心配してくれる。

 ほっぺに手を触れながらみこに微笑みを向け、反対の手は頭を優しくナデナデもしてくれる♪


 みこは優しいお姉ちゃんが本当に大好き♪お姉ちゃんとお手々を繋いで寄り添っていピトッ♡てしてるだけで、なんだかイライラとしていた気分も不思議とだんだん魔法みたいに善くなって来る♪

 義姉ちゃんと居ると、どうしてこんなに幸せな気持ちになるのかな?♪やっぱりみこがお姉ちゃんのこと、愛してる大好きだからかなぁ?♡そうだね、きっとそうに違いないよね?♪エヘヘへ♡



 。。。。。あのね、みこはね?

 これから大好きなお姉ちゃんと、もっともっとお料理したり遊んだりいっぱいラブラブ♡しなきゃいけなくてとっても忙しいの。

 だからねこんな全校集会みたいに無駄なこと詰まんなそうなお遊びは、とっととおいにしないとダメだと思うんだぁ。。。ねぇ、アナタ達もそう思うでしょ?


 わざわざ殺される為だけにやって来た余計なことばっかりする気持ちおバカな怪人さん悪いお邪魔虫さん達




 ************




 ウジャウジャ、ワラワラと。

 見渡す限りを埋め尽くす怪人害虫達の群れは、見ていて本当に吐きそうになるくらい気持ちが悪い。。。

 しかもこれだけ頭数に頼って来るなんて、集団戦法数の暴力を正義と抜かす謳う魔法少女ゴキブリ達よりもゴキブリ魔法少女らしくてなんだか笑える。


 その中でも先頭で偉そうにしている一際強そうな二匹の怪人達臭くて汚い生ゴミ、これだけ離れているのにあの偽母さんババアに抱っこされてる時位、酷く臭い臭いが漂って来てムカつくスゴくヤダ。。。

 しょうがないからみこはお姉ちゃんにピッタリとくっ付きながらのいい匂いバリアの中に待避して、魔法で風向きを反対向きへと変えた。魔力が勿体無いとか、そんなのは知らない。


 だって、本当に我慢出来ないくらい臭いんだもん!


 それにこの程度の魔法天気を変える位、フワフワパンケーキの生地で薄いクレープの皮を作るよりも、今のみこには簡単だよ?♪





「あら?あんなに可愛かったウチの猫ちゃんを、思わず殺したくなる程惨めになるまで甚振ったのだから。

 お姉さんもっと、厳つい魔法少女雌ゴリラが仁王立ちしてるものと思っていたのだけど。。。意外とただの仔猫ガキなのね?」


「ホッホッホ♪の小娘は早計かも知れんぞ?毒姫。

 お主も感じておろうて、あの矮小な娘から漂うこの馬鹿げた魔法力を。小娘とて魔法少女を舐めて掛かる生で喰らうと、手酷いしっぺ返しを喰らう腹痛を起こすのが世の常よ」


「はいはい。心配しなくても、それくらいちゃんと分かってるわん♪猪突脳筋な拳鬼ちゃんじゃあるまいし」



(。。。みぃちゃん、お姉ちゃんに任せてね?)




 睨み合いが続くなか、みこがとっとと開幕ブッ放お終いにしようとしなかったのは事前にお姉ちゃんにこう言われていたからなだけで、それ以外の理由なんかは無い。




「一応はお聴きいたしますが、という選択は無いのですね?」


「アッハハハハハ♪ちょっとオジ様聴いた?先に仕掛けておいて、和睦ですって♪北の女狐は相変わらず、頭の中お花畑みたいね?」


「ホッホッホ♪そう言うてやるな毒姫よ。

 あの者とて愚かな主人に振り回されておる口じゃろうて、どうにかこの修羅場より助かろうと必死に足らぬ知恵を絞っておるのじゃよ♪


 しかしのぅ、お若いの?

 この戦力差では和睦では無く、降伏。の間違いでは無いのかな?ホッホッホッホ♪」




 まだ背後までは囲まれていないけど、確かにアッチはコッチの4倍くらいはウジャウジャしてるんだから、あの怪人さん害虫の親玉達が言っている事は結構正しい。。。

 もちろん!みこのしくていくてスゴく頭のいお姉ちゃんだってそんな事解っている!


 わかった上でわざわざ命乞いの機会を与えて貰ってるって、どうしてあのジジイども怪人さん達は分かんないんだろうね?


 本当怪人て、殺す以外に使えないバカばっか♪





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