第51話 ウザいのなんか大っ嫌ぃ!




 お母さママん。。。みこには全然、馴染みの無い言葉。


「ママって本当ウザいよね!」


 そう溜め息混じり嬉しそう自慢話をしている愚痴をこぼすクラスの子達を、羨ましいなんて思った事はない。

 だって、みこには大好きなお姉ちゃんが居る。だから、ママもパパも欲しいと思った事なんて無いもん。。。多分。




「お姉ちゃん。。。お姉ちゃんは、ババアママのこと好き。。。?」


「。。。ん?どうしたの?急に」


「いいから答えて!。。。好きなの?。。。嫌いなの?」




 ババアママに初めて出会った抱き締められた日の夜。

 みこは新しいお部屋のベッドの中で、お姉ちゃんにそう訊ねてみた。


 深い意味は特に無いみこはママの事は嫌い。。。


 ただ、急に現れた湧いてきた新しい家族?金髪白尾の狐ババア綺麗で優しそうなママに、どう接していいのか分からなかった。。。




「う〜ん。難しい質問ね。。。好き、と言うか。朔夜お母様は、お姉ちゃんにとってとても特別な人、だから。。。」


「特別!?。。。みこ、よりも。。。?」


「フフ♪本当にどうしたの?そんな泣きそうなお顔しちゃって♪

 そんな哀しい顔してたら、みぃちゃんの可愛いお顔が台無しよ?♡


 。。。。。。心配しないで大丈夫。お姉ちゃんは、この世界の誰よりもアナタのことを大切に想っているから。。。」




 お姉ちゃんはみこのオデコに優しくキスをして、それから強くギューーーーッ♡て抱き締めてくれたの♪♪♪

 お母さんババアに抱き締められた時とは全然違う!スゴくいい匂いで、スゴく暖かくて、スゴくスゴく嬉しかった。スゴくスゴくスゴく幸せな気分♪だった。。。



 やっぱりみこはね、お姉ちゃんが好き。大好き♪

 お姉ちゃんさえ居てくれれば、他に家族ババアなんか要らない。。。

 


 もしもあの時お姉ちゃんが、みこよりババアの方が大事ママのことは嫌いかな。と言ってくれたなら。。。みこは迷い無く、あのババアママを殺しに行けてたのにな。。。




 ************




 怪人達の隠れ家アンダーホーム

 怪人害虫どもの派閥集まり?の一つ、と自称しているコイツらは、地下深くに巨大な巣を造って暮らしている。

 みこも、ウザったい害虫どもがコイツらって一体何処からこんなに湧いてくるのかな?と考えた探した事はあったけど、、、上手く魔力感知を誤魔化しているのかな?まさかこんな大群が、堂々と足下でカサカサしているなんて思ってもいなかった。


 匹居たら、匹居ると覚悟しなさい!


 そんな脅し文句はよく聴くけれど。

 試しにちょっと魔力感知をしてみたら、百匹どころか鳥肌立つ位たくさんの怪人害虫達がカサカサしてて、本当にキモかった。。。


 あまりにもキモ過ぎて、みこ達より下の階に居るヤツ皆まとめて埋め殺しペシャンコにしてヤろう!

 と極大な土魔法の詠唱を始めたんだけど、そしたら慌てて戻って来たお姉ちゃんに


「みぃちゃん?そんなこと、理由も無くヤッちゃダメでっしょ?」


 って、ちょっとだけ叱られちゃったの。。。だって、本当にキモかったんだもん。


 でもね?その後お姉ちゃんと一緒に見て回った巣の中はね♪何だかお姉ちゃんと、アリさんになったみたいな気がして、ちょっとだけ楽しかったんだ♪


 まあ臭いだけは、相変わらずみこ達のお部屋以外何処に行っても酷いんだけど。。。




 そんなこんなで、此処での暮らしは割と上手くやっている怪人供との共同生活は、最悪

 どうして最強の魔法少女なみこのお姉ちゃんが、こんな所に居るのかは解んない。けれど、怪人共も其処のところはしっかりと理解はしているみたいで。

 何十、何百匹と居る怪人害虫どもの中に在っても、私のお姉ちゃんに手を出そうちょっかい掛けようとする身の程知らず間抜けなバカは居なかった。




「。。。お、助け、くら。。。はぃ。ぼぉ、いだ、じま、ぜん。。。」


「ウフフフフ、ダメだよ?♪

 みこはね?謝ったりしても許してあげないんだよ?。。。だからほら?もっと大きい声で鳴いて?


 みこね?お家の中全部に、オジサンの悲鳴が行き届く位叫んでくれないと困るんだ♪

 だって、また身の程を知らない雑魚共臭くて汚い害虫が襲って来たら、怖い汚いでしょ?」




 でもそれは、ただの恐怖とか畏怖。

 怪人害虫どもがお姉ちゃんの強さ正体を十分っている、ということに違い無い。



 だから、いつもヒソヒソヒソヒソと。。。

 お姉ちゃんに手を引かれるのことを、物陰に隠れながら見つめる沢山の穢らわしいムカつく視線があることには前々から気付いていた。

 だからその中の何匹かが、お姉ちゃんの留守を狙って目を盗んでみこの所にノコノコとやって来るのは、当然といえば当然。だったのかな?



「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」




 みこを襲って来た連中の一人、タコさんみたいに手足がウネウネしている気持ち悪いヤツをワザと生かしておいた。


 もちろん見せしめる為に。


 みこはその気持ち悪いタコタコさん擬きを廊下まで引きずり出し、荊魔法で磔にしてからウネウネを一本一本ゆっくりと、引き千切ってあげた。。。

 魔法で感覚を何倍にも鋭くしてあげたおかげか、トゲトゲの荊がミリミリと引っ張る度にタコ雑魚は絶叫してくれる。


 別にみこは怪人害虫をいたぶるの、好きじゃない。寧ろどちらかと言えば、一撃でブチ殺すことの方が多かったと思う。。。多分。


 そうだったはず。。。なんだけど、



「フフ、フフフフフ♪」



 みこは気持ち悪いタコを八つ裂きにタコさん擬きに意地悪をしながら、自分でも気付かないうちに笑っていた。



「ハ~ァ。。。どうしてこんなに、気持ち悪い面白いんだろ?ウフフフフ♪」



 こんなのただ気持ち悪くて、ウルサイだけなはずなのに。。。。。。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る