第43話 フラグなんか大っ嫌ぃ!




 極大魔法。。。

 確か、お姉さんがそんなお話をしてくれた様な。。。?気もする。


 様々に存在する魔法の中でも、火、水、風、雷、土の5属性にしかまだ確認されていない必殺のスゴい魔法。

 その威力は、たった一発で大きな街の2、3個は纏めて木っ端に出来ちゃう位強力で、公に使われたのはたったのしかない、そんな魔法。



 3年前、地球に墜っこちてきた大きさ10㎞の大っきな隕石をたったの魔法少女が、たったの魔法で消滅させた。


 その魔法少女は勿論、鮮血色の戦乙女・血塗れ桃ちゃんクリムゾン・ピーチこと私のお姉ちゃん、姉賀 桃。

 そしてその時お姉ちゃんが放ったのが、魔法



『紅に煌めく地獄の覇焔(クリムゾン・インフェルノ)』



 だったらしい。この時の活躍の少し後から、私のお姉ちゃんは現代の魔法少女って呼ばれる様になったんだけど、そんなお話はどうでもいいの♪


 だって!私のお姉ちゃんが、世界で一番強くて可愛い魔法少女だ!なんてことは、お話するまでも無いくらいのことでしょ?♪




「みこちゃん?魔法の深淵は、ただ頑張って強くなるだけでは辿り着けんモノなんよ?その極致へ到るには、属性を統べし存在。


 達に認められなアカン。


 まぁ。。。桃みたく五つ全部の極大魔法は欲張りさんやけど、みこちゃんもきっといつか使える様になると思う♪

 だってみこちゃん、こない可愛ええんやもん♡(ムギュ〜〜〜〜〜♡)」




 つまり極大魔法は、その属性を司る支配者達に認められた完全に極めた魔法少女だけが使うことを許される、覇者の一撃。

 そしてそんな強力面倒な魔法が今、二つも私に向けられている。


 。。。こういうダブルでお得な感じは、要らない。




「今こそ裁きの刻は来た。迸る紫電の瞬きは天を貫き、轟く怒号は大地を穿つ。愚かなる者共よ、甚だしき怒りを知れ!」

「猛り逆巻く気高きはやてよ、因果を切り裂き敵を薙ぎ祓え!」



『紫に瞬く終焉の絶槍(アメジスト・ラグナロク)』


『翠に猛る狂乱の死鎌(エメラルド・ファランクス)』




 極大と冠するだけはあって、二人の頭上に現れた魔法はどちらも凄まじい魔力を感じる。

 多分、雷の方は総ての力を一本の槍の形に凝縮した一点突破の超魔法。

 そして風の方は、見た感じは一振りの風の大鎌に見えるけど。私の虫籠魔法と、さっき撃たれた全方位攻撃魔法を足して、上位互換した感じの範囲魔法なんだと思う。



 私は別にあの二人を待ってあげていた邪魔しなかった訳ではない。まぁ、ちょっとだけ雷と風の極大魔法ってどんなのかな?って見てみたい気持ちはあったけど。

 ただ一つ、解らないことがあった邪魔する必要が無かっただけ。。。



 さっきカメムシ2号は、『阻害』とか言った。だけど今のところ、どちらの魔法にもレジストが出来ない要素は

 確かに籠ってる魔力がすごく強い分、私だともっと近づく必要はあるけれど。眼鏡ッ娘お姉さん私のウザい師匠なら、いつでもレジスト出来ると感じる程度の魔法。


 って言っても、大体レジストって打ち消す魔法が単純なほどに消せるんだから、単一属性に特化している極大魔法なんて、そこら辺の雑魚の考えた固有魔法弱っちいオリジナルより全然楽。


 。。。そうね。それが、の極大魔法だったなら。




「。。。チッ!」


「キャハッ♪子猫ちゃん、気付いちゃった?♪」




 オカシイとは思った。

 二人とも魔法の詠唱を終えたのに、現れた魔法はまだ二人の手元にあって私の方へは飛んで来ない。。




「手遅れ。この魔法は、に打ち消せない!」


「キャハハハハ♪そうよ。私達の魔法愛の証は、誰にも壊せやしない♪」




 きっとこういう時の事を、フラグって言うのかな?何にせよ、スゴく面倒な事になったのは変わりない。

 。。。あ〜ぁ、カメムシ2号がただ無知おバカなだけだったなら良かったのにな。

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