一章幕間 蠢く者



 数日後。

 深夜の月明かりが差し込むある庁舎ビルの一室に、その影はあった。




「オホホ♪今回は災難でございましたわね?

 紫電色の戦乙女アメジスト隠れ百合ッ娘フェイカー♪」


「。。。なんだかすごくイヤミ嬉しそうに聴こえたのは、スミレの聴き違いっスか?」


「あら、お気に障ったのならごめんあそばせ?♪別に貴女のお股名誉の負傷を喜んでるわけではございませんの。

 お気になさらないで?オホホ♪」


「まったく、他人事だと思って。。。スミレ達は、あれから3日も血尿に悩まされているんスよ?おトイレの度地獄ッス!

 こんな所治癒してもらうわけにもいかないのも恥ずかしいし、少しは後輩の苦労を労って欲しいっス!」


「あらあら、それはお可哀想に。。。でしたら!私が特別に、癒して舐めて差し上げましょうか?♪(ジュル♡)」


「ウゲ!気持ち悪い冗談はやめるっス。。。

 そ、それにスミレのお股を舐めていいのは、せ、先輩だけと決めてるんスから。。。♡」


「あらあら、割りと本気でしたのにそれは残念でございますこと。。。

 ところで、そろそろ本題の方を伺ってもよろしいでございますかしら?♪」




 一人は先日の騒ぎで、全身に目も当てられない程の重症を負ったはずの魔法少女。

 そしてもう一人は、夜の暗さにあってもその白銀の髪が妖しく輝きを放つ。スーツを纏った妙齢の美女である。人払いの結界に包まれしその暗い部屋に、他に影は無い。




「。。。そうスね。スミレもこんな変態大先輩との長話はごめんスからね!

 まぁ、あのロリッ娘よく言えば紅と碧先輩達の良いとこ取り。悪く言えば、各々二人の劣化っス。

 それでも単純な強さなら、既に先輩クラス序列一桁並みはあったっス」


「あらあら♪その娘は確か、に目覚めてからまだ半年も経たないのでございましょ?末恐ろしくていらっしゃること♪」



「。。。なんスか、その変態全開独特過ぎるな言い回しは?


 でも、正直あそこまでスミレ3号が一方的にヤられるとは、スミレもご主人も予想外だったっスあのロリのこと舐めてたっス

 お陰でご主人諸とも3号からのフィードバックで、血尿出す羽目になったんスけどね。。。


 とまぁそんなわけで、強さは申し分ないんスけど、アレをで使おうとか考えてるなら絶対ムリっスよ?」



「あら、どうしてでございますのかしら?♪」


「どうしてって!同じ魔法少女女の子のお股を破壊する様な鬼畜っスよ!?

 アレは間違いなく、ロリの皮を被ったバケモノっス。。。幸い先輩が、首輪を着けたから良かったスけど。もしあれが無かったら。。。あの夜彼処に居た全員、あのロリッ娘に殺されてたに違いないッス!


 スミレ的には、今すぐ不適合者異端者としてすべきと思うんスけどね?」



「フフフ♪。。。でも今は、

 着いているのでございましょ?♪でしたら、使えるのではなくて?」


「。。。変態的思考個人的趣味ならオススメしないっス」


「あら、失礼しちゃいますこと!

 あくまでもこれは、としての判断でございますことよ?♪


 クリムゾンに続きサファイアまでも欠けることになりますれば、世間の混乱は避けられないことでございます。

 したがって、それに匹敵出来る逸材が居るのでございますれば、例え多少のリスクはあれど手駒としておくのが妥当でございますのよ?」


「はいはい、好きにしたらいいっス。スミレ達は、どうなっても知らないっスからね?」


「ご忠告、痛み入りますわ♪」


「それじゃ、スミレはもう行くっス。休暇の件くれぐれもヨロシクっす〜♪」


「解っておりますれば、くれぐれも本体アメジストにヨロシクお伝えくださいまし?隠れ百合ッ娘の偽者さんフェイカー・フェイカー


「はいっス〜。。。あ、そうだったっス!後一つ忘れてたっス!!!

 消えてたクリムゾン先輩の死体、その2代目の所にあるらしいっスよ?♪」


「あらあら♪。。。それはそれは、フフフフ♪」




 人知れず世界が大きく動こうとしている事に、紅の魔法少女は未だ気付いてはいない。



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