遠過ぎた初めての恋人

春の雪

第1話 出逢い

数十年、いや正確に言えば、40年とちょっと。


生きて来て、想う事は、


私の人生はずっと、愛を求めて彷徨っては、自分を追い込んで、嘲笑してきた時間だったように思う。


自分への、生きて居ていいと言う、証の様な愛。


奪われ続けて来た、踏み躙られ続けて来た、愛。


本当は、あの時、死を選んでいたなら、別の意味で楽だっただろう。


でも、例え幻でも


本気で、その人の為に、命捨てていいと


心も体も、本気で憧れ愛する人と


結ばれる事が、悦びで、歓びであると


気付いてしまってから、人生は、美しくも、苦しく、


自分も、皆も、巻き込んで


激流と、後悔と、恥と、歓喜と、生きるとは何なのかと言う


答へと、導かれる、長い長い、いばらの道が始まった。


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