ミヤコ ノ ハナ
青沼キヨスケ
第1話 其れは
明治の頃、日本の新たなる文学を切り開いた大家に続き、台頭した作家が一人。
其れは白皙無髯の美青年、眉目秀麗の言葉相応しき人物であった
彼の名が、その作が世間に出た時
其れは其れは、騒がれたものである
かの名高き人物が開催を行った文学の為の会、と名の付く其れの第一回にも
大家と、もう一人と共に。作家としてこの三名だけが招待を受けたものである
彼のその端麗な容姿、併せて美しき綴りは当時、数多の人間を魅了した
同時に、数多の人間に嫉妬心などをふつ、と沸かせもした
そして-
情念を抱いた者も、多数
それは女性だけには止まらず
かの学者も、彼に興味を抱いたという
そして、かの作家-報道屋もまた
妬みと合わせた、興味を。
その報道屋は
それは、言うなれば蝮の様な男であった
彼は-蝮は、かの青年を追った
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