第6話 「負けました」
せっかくだから
キャッシュをやめよう
ジムもやめてブログもやめて
ラーメンもポエムもツイートも
みんなやめよう
せっかくだからもう
社会人もやめだ
ワニがドーナッツ!
何がせっかくだ!
テキストも画像も
つぶやきも音声も
動画もノートもみんなみんな
ワニワニワニワニ
一つ一つ差し引いていけば
可能性も消えて行くけれど
勢いづいた思考の流れを
止めることは難しい
ワニワニワニワニ
ワッワッワニがワニがワニが
その時、僕は随分前の
短い対戦のことを思い出していた
!ワーニがドーナッツ!
「あ、負けました」
まだ難しい中盤戦
相手は突然投了を告げた
ワニがドーナッツ!!!
本当は爆発するほど驚いていたのに
「ああ」
(投了もやむなしですね)
相手が僕の力量を信頼したように
僕も相手の投了をリスペクトした
短い感想戦を終えて
小さな戦士たちは
駒箱の中にかえっていった
「まだまだやれたのに……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます