第12話 うちの後期高齢者

 先日、母からラインのグループへの招待がきた。何故に?と私の頭の中は❓で山盛りになった。思わず娘に「ばーさんが新たなアイテムを手に入れた。小技使ってきたぞ!」とまるでロールプレイングゲームの主人公になったかのように伝えると、「私も招待されたわ。取り敢えず参加しといたけど、グループ名が家族だね?」と不思議そうな顔をして答えた。

「そげだに、息子が入ってないけん、取り敢えずおかんが招待しといたわ」家族とうたうわりには、招待の仕方が中途半端なのも気になり、まぁ、年寄り向けのスマホを使いこなしている母だから、また、知恵をつけたのかもしれない。と、考えることにした。

翌日、母にことのなりたちを聞いてみた。


うちの息子に向けてラインをしようとした所、手がすべり違うボタンを押してしまったと。すると、家族のグループを作ってみませんか?とのスマホからのお誘いにホイホイ乗ってグループを作ってみたのだと。だが、初めに娘と私を招待したのだが、後から息子を招待してない事に気がついたのだが、後から招待するのには、招待の仕方がわからないので、ほっといたと。誰かが招待してくれるであろうと思ったらしい。

で、その後に「グループってなんだ?」とな?

母よ、小技は、理解してから使え!

取り敢えず、グループでの会話が出来ることを説明して納得してもらった。

そんなにホイホイ乗ってたら、あなた、いつか詐欺に引っかかってまうわよ!

注意も兼ねて、一度止まって考えてから何でもやるように促した。

まぁ、孫とのラインも楽しみの一つだから、やるなとは言わないけどね。


この母には、幼い頃から今はなき貸本屋へ連れて行かれ。私はマンガ好きになったのだ。

その後、ゲームにハマり、スーパーファミコンに始まりニンテンドー3DSまで全てを手に入れ孫と共にゲームにいそしんでいた。孫達がスマホを手にする様になると、母もスマホでのゲームにハマりまくっては、薄暗い中夢中になってやっている。そして、私に叱られるのだ。「指先の運動は、認知症予防にいいかと思って。」が毎度の言い訳。

それは、編み物でいいんじゃないかい?

物には限度ってものがあるからね。

お気をつけあそばせ。


最近の私との会話の中に終活の話も出てくる

「ばーさん、あなたの葬儀には、BGMにスーパーマリオの音楽かけてあげるけん、安心するだわ。ばーさんのゲーム機全部並べてあげるけん。笑笑」と私が言うと、呆れた顔をしながら笑顔をうかべているのが我が家の後期高齢者だ。

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