Other Skies
F-8(Fate)
#0 娘との別れ~Prologue~ 2003/12/28
4才の女の子が居間にある写真が入った写真立てを手に取る
「ママ、どこ?」
女の子は悲しそうな目で写真を見ていて、その写真には、2003.12.24と印字されていた。
写真に印字されていた日付の三日後、女の子の母で国連軍所属の戦闘機のパイロットである「
飛鳥は忘年会に来ていた親友「
有村は飛鳥、飛鳥と言いながら飛鳥を起こす。
「ん?燐?」
飛鳥は半分寝ぼけた状態で有村を見つめる
「オフィス勤務への転属願よ。サインして。」
飛鳥の目の前に出された紙は、転属願ではなくナセル王国空軍傭兵部隊への入隊誓約書であり、英語で書かれていた。
「ん?英語?」
飛鳥は視界がぼやけた状態で誓約書にサインを書き始める。
「ありがとう。これで毎日玲奈に会えるよ。」
飛鳥は有村の言葉を聞いて安心して眠りにつく。有村はぐっすり眠っている飛鳥の娘の玲奈を抱っこしてお金を払ってから居酒屋を後にする。深夜になると、スーツを着た男二人が店の中に入る。
「おい、起きろ。・・・聞いているのか!起きろ!」
二人の男の一人が飛鳥を揺さぶりながら起こす。
「んん・・・何?」
酔いが醒めて起きると男二人に囲まれていた。
「アスカ=イザヨイ、だな。2003年12月28日午前12時より貴様はナセル王国空軍外国人傭兵部隊で12年間の兵役に服してもらう。」
二人目の男が先ほど飛鳥がサインした誓約書を見せる。
「ジョークやめてよね。私は、国連軍のオフィスで働くのだから。」
「いや、ジョークなどではない。この紙を見ろ。」
二人目の男が飛鳥のサインを指さす。飛鳥は自分がサインした紙を見て、目を丸くする。
「!……玲奈?玲奈はどこ!?この店に3歳の女の子がいなかった?」
飛鳥は玲奈を捜しても見つからず焦り始める
「いや、我々が入ったときはいなかったが、…とにかく、ナセル王国まで来てもらおう。家族には、仕事に行くと伝えてある。戦闘機と武器は君の所属先を用意する。」
二人目の男は紙をスーツの内ポケットに入れて飛鳥を連行しようとする。
「それよりも、玲奈は…娘はどうなるの!」
飛鳥は泣きそうになりながら一人目の男にすがりつく。
「娘さんや家族のことは、ナセル王国に行かない限り安全を保障する。詳しいことは後ほど説明する。嫌ならここで銃殺しても構わないが。」
一人目の男がスーツの内ポケットからグロック19を取り出す。
「わかりました。ついて行きます。」
自分の立場と状況をようやく理解した飛鳥は男たちに連行される。
※グロック19:ピストルの一種でグロック17のコンパクトモデル。9×19mmを使用
Tips No.1~Other Skiesの世界観~
Other Skiesの世界観は、地球と比べて表面積4倍、体積8倍といった地球と比べて広い世界である。
海:陸=4:6の世界であり、四大陸に8ヶ国存在する。
四大大陸:南極大陸(どこの国の領土でもない)、西の大陸に2ヶ国、北の大陸に2ヶ国、東の大陸に4ヶ国存在する。
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