本編 ~ 最終章 ~

103話 HUNTER研究所 ~伝説のグール~「★」

「そういやテン、お前もそろそろ自分で改造出来るようになったらどうだ?」



 私達はザナの南東に位置するHUNTER研究所に向けて歩みを進めていた。

 あの遊園地を経由して南下する事になる。


 その道中、ふとプリンが私の銃に対しての知識の無さを指摘していた。



「だってプリンが改造してくれるんでしょ?」

「俺だっていついなくなるかわかんねぇだろ」

「え、いなくなるの⋯⋯?」



 プリンのその言葉を聞き、私の表情が曇った。

 私の顔にチラッと目線を落とすと、プリンは私の頭をポンッと軽く叩きため息をついた。



「はぁ~いなくならねぇから安心しろ」



 私の顔は一瞬で明るくなった。

 プリンを見上げると少し困ったような顔をしていた気がした。



グガァァァ!!



「なんだ?!」

「あ、あそこ!」



 遊園地を出た所に一匹のグールが。

 しかしそのグールは普通のグールと様子が違うように見えた。


 体は赤緑に光り何かのオーラを出しているようだ。

 眼球は赤く染まり、その肉体からはトゲのようなものが突き出ている。

 グールのくせに甲冑を身に付け、頑丈そうな兜を被っていた。

 そしてどこで拾ったのか、よくゲームで見る刀のような武器を振り回しながら走ってくる。



「このグール、何か普通と違くない?」

「あぁ、気を付けろ」



 私は気を引き締めピストルを構えた。

 V.A.R.T.S.バーツ!!

 起動すると、グールの頭の上に名前が表示された。


 『伝説の光グール』


 どうやら最強のグールらしい。

 ゲームの中でもいたが、『伝説の』系はあまり姿を現さないレア敵だった。


 まさか実際に見る事になるとは⋯⋯。


 狙いは頭。

 命中率は70%か。



ピピピーー



 APをフルに使い弾を込める。

 しかし思ったより強敵のようだ。

 今の私の銃には弾を8発まで込められるけど、グールのHPが全然減らない。



「こいつは普通にやってたら勝てねぇぞ」

「じゃ、じゃあ⋯⋯どうすれば?!」



 グールが近付く。



シャキッーー



 適当に振り回す刀が目の前で揺れる。



「きゃっ!」

「気ぃつけろ!」



 後方に下がる私に追い討ちをかけるように、グールがバランスを崩し私の上に倒れ込む。



グアァァァ!!



 大きな口を開きガチガチと歯を何度も噛み、私を食いちぎろうとする。


 グールの首を掴む。

 目の前で垂れ流すグールの液体が、私の顔にピシャリと落ちる。



「おい、大丈夫か?!」



 プリンは別なグールの相手をしている。

 見るとグールの大軍が。



ドドドドーーピュゥンーーパンパンパンーー



 アサルトライフルとピストルを器用に使いこなし、次々とグールを撃ち殺していく。



「今行く! もう少し耐えろ!」



 耐えろって言われても⋯⋯。

 何とかグールの首を掴み噛まれずに済んでいるが、思ったより力が強い。



「ぐっ⋯⋯」



 左手でグールの首を掴み、右手でピストルを握る。

 そして大きく開いた口へ銃口を突っ込んだ。



ーーパァン!



 放った銃弾は喉を突き抜けた。

 頭が吹っ飛び残った胴体が私の上に倒れている。



「おい、テン。大丈夫か?!」



 グールを全て片付けたプリンがこちらへ駆け寄ってくる。



「う⋯⋯うん」



 体にベッタリと付いている、死体から溢れる赤黒い血を拭う。



「ほら、立てるか?」



 上に乗るグールの胴体を退け、こちらに伸ばすプリンの手を掴み立ち上がった。



「ありがとう」

「それよりこいつ、なんか持ってねぇのか?」

「あ、そうだった」



 『伝説の』系は特別なアイテムを持っている。

 グールとは言え、これも一応伝説だ。

 いいアイテムや装備を持っているはず。


 私はグールの死体に手をかざしドロップ品を確認した。




ーーーーーーーーーー

・伝説の光グール

 千命の刀★

 ガスマスク

 デスチャーアーマー★

 100キャップ

 ヘアピンの箱

ーーーーーーーーーー




「まじ? すご!」



 アイテムの横に付いている★は唯一無二のアイテム。

 言わばユニークアイテムだ。


 武器も防具もユニークアイテムなんてラッキーすぎる。

 武器はその敵固有だが、防具は何を身につけているかランダム。


 どっちもユニークアイテムなんて滅多にある事ではない。

 これは有難く貰っていくとしよう。



「うわぁ! 刀だ、すごい!」

「それはお前が持ってろ」

「いいの?! やったぁ!」



 私は早速、刀を装備して背負った。



「私、刀使いになろうかなぁ! あははっ」

「嬉しそうだな」

「うんっ! 刀とか憧れるじゃん!」



 この世界では基本近接攻撃は微妙だけど、これからはどんどん使って行こうと思った。


 そして私達は、再び目的のHUNTER研究所へ歩みを進めるのであった。











後書き

ーーーーーーーーーー

名前 テン

   レベル26


武器 千命の刀★


防具 ガスマスク(E)

           →DF(0) RD(7) EN(3) W1

   新生VULTジャンプスーツ(新品)(E)

           →DF(5) RD(20) EN(5) W1

   デスチャーアーマー★(E)

           →DF(42) RD(16) EN(18)・W15


▼現在能力▼


Ultimateアルティメイト Powerパワー 『8』

Newdaysニューデイズ 『5』

Inspiインスピrationレーション 『7』

Qickvartsクイックバーツ 『9』

Unknownアンクノン Lackラック 『5』

EverNeverエバーネバー 『7』


▼習得済スキル▼


Meleeメレー Weaponウェポン

 ランク1 近接武器でのダメージが20%増加する。

・ランク2 近接武器でのダメージが40%増加する。

Bagpackバッグパック

 ランク1 持ち運べる重量20増加

Lockpickロックピック

 ランク1 BerryEasyの鍵を解除できる

 ランク2 Easyの鍵を解除できる

・ランク3 Normalの鍵を解除できる

Hideハイド Enemyshootエネミーショット

 ランク1 V.A.R.T.S.バーツ使用時物陰の敵を撃てる。精度減少

Sunikinguスニーキング

 ランク1 歩く時の足音を軽減する

・ランク2 歩く時の足音をさらに軽減する

Bloodブラッド

 ランク1 スチムパックで40%回復、RADアレイで40%除去

Extremeエクストリーム

 ランク1 体力20%以下で全能力20%上昇

Specialスペシャル

 ランク1 ハンドガンの威力20%上昇

・ランク2 ハンドガンの威力40%上昇

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る