75話 ブリットン警察署 ~犠牲の上に~「★」

「今だ! 行くぞ」



 私達はプリンのその声と同時に立ち上がり、銃を乱射した。



パンパンパンーー

ドゥルルルルルーー

ドドドドーーピュゥンーードドドドーーピュゥンーー



「なんだ?! ぐへっ⋯⋯」

「おい、大丈夫か?」



 奇襲されるなんて予想していなかったであろう男二人の内、近くにいた一人は無数の銃弾を浴びてすぐにその場に倒れた。



「くそっ⋯⋯」



ザザーーザザーー



「今すぐ広場に来てくれ⋯⋯」



 こっちもそれは予期していなかった。隠れている男は無線を使い仲間を呼んでしまった。



「呼ばれたか⋯⋯」



ドドドドーーピュゥンーー



 プリンはすぐに無線を使った男を探し出し、その隙をついて銃弾を浴びせた。



「すぐに仲間が来る。早くこっから出るぞ」



 プリンは入り口を開け、仲間が来ないか確認しながら私達を外に出した。



パンパンーー



「きゃっ!」



 仲間はすぐにやってきた。



ドドドドーーピュゥンーー



「行け!」



 プリンはそれに対抗して戦っている。



「プリン! 早く」

「先に行けっ⋯⋯うっ⋯⋯」

「プリン!」



 私達に指示している間に、向こうから止めどなく放たれる銃弾に当たってしまったようだ。



ウイーンーーガシャーー



「ここは私に任せて皆さんは行って下さい!」



 管理官はプリンの目の前に立ちそう言った。



ドンーードドドドーードンーー



「早く! 行って下さい!」



 管理官はそう言って私達を庇いながら戦っている。



「うっ⋯⋯行くぞ」

「管理官は?」






「⋯⋯任せるぞ」

「はい! 安心して行って下さい! 無事に再会した時はレモネードを作ってあげますよ!」



 この状況で管理官は呑気な冗談を放っている⋯⋯。



「⋯⋯絶対無事でいてね」



 私はその言葉を残し、この警察署から逃げ去った。






「ハァ⋯⋯ハァ⋯⋯もう⋯⋯来ない?」



 私は後方を確認した。

 奴らは追ってきていない。



ドサッーー



「もう⋯⋯ダメ」



 私は遂にスタミナが切れその場に倒れる形で座り込んだ。



「もう歩けないよォッ!」



 私の後ろを走っていたマールもそう言って地面に倒れ込んだ。



「追っても来ないし、今日はこの辺でキャンプ張るか?」



 疲れきった私達を気遣って、プリンがそう言った。

 もう声を出すことすらしんどい⋯⋯。



ゴクゴクゴクーー



 インベントリに入っていた'きれいな水'を手に取り、カラカラだった喉を潤した。



「マールも飲む?」



 マールの目線が気になりそう聞いてみると、小さく頷いた。

 疲れているのは私だけじゃない。

 マールもプリンもくたくたなはずだ。私なんてもう足が言う事効かないよ⋯⋯。


 管理官⋯⋯大丈夫かな。ちゃんと逃げれたかな。

 そんな不安が頭を過ぎる。



バァサッーー



 地面に横になり空を見上げている私の横でプリンがテントを広げていた。



「二人共風邪引くぞ。ほら、中入れ」



 横並びで寝そべっている私達に、プリンは優しく微笑んだ。



「うん、ありがとう⋯⋯」



 私はマールの手を引き一緒にテントの中に入った。




 テントの中は私とマールの二人きり。疲れのせいか妙な沈黙が流れた。

 そして私はその沈黙を破るように語りかけた。



「マール⋯⋯ごめんね」



 それくらいしかマールにかける言葉がなかった。

 完全に巻き込んでしまった。本当はマールは関係なかったのに⋯⋯。

 居場所であった警察署のみんなよりも私達に付いてきてくれた。お兄ちゃんのドルタすらも置いて⋯⋯。

 なんでそこまでして私達を庇ってくれたのかわからないけど、マールには謝るしか言葉がない。


 そんなことを考えていると、マールからは意外な言葉が返ってきた。



「テンは謝ることないよォ? 悪いのはアイツらなんだからねッ! あたしは嘘が嫌いなのォ」

「⋯⋯そっか」



 マールは真っ直ぐで正直な子なんだ⋯⋯。

 今まで一緒にいた仲間じゃなくて、私達の味方をしてくれた。


 私はこんな真っ直ぐなマールを守りたい。

 そう思いながら私の意識は徐々に薄れていった。




シャッーー



「おーい、飯できたぞ⋯⋯」



 意識が遠のいていく中、うっすらとプリンの声が聞こえてきた。



「ふっ⋯⋯一人で食うか」



シャッーー




 睡魔には勝てず、やがて私の意識は完全に途絶えた。











後書き

ーーーーーーーーーー

名前 テン

   レベル14


武器 改造威力Hitrangeヒットレンジ10mmピストル

     →命中率と飛距離に加え威力も強化した


防具 ライト付きヘルメット(E)

           →DF(0) RD(1) EN(1) W1

   VULTジャンプスーツ(新品)(E)

           →DF(0) RD(15) EN(1) W1

   メタルアーマー(右手)(E)

           →DF(4) RD(2) EN(2)・W2

   メタルアーマー(左手)(E)

           →DF(4) RD(2) EN(2)・W2

   メタルアーマー(体)(E)

           →DF(8) RD(5) EN(4)・W6

   メタルアーマー(右足)(E)

           →DF(5) RD(3) EN(3)・W3

   メタルアーマー(左足)(E)

           →DF(5) RD(3) EN(3)・W3


▼現在能力▼


Ultimateアルティメイト Powerパワー 『4』

Newdaysニューデイズ 『5』

Inspiインスピrationレーション 『7』

Qickvartsクイックバーツ 『9』

Unknownアンクノン Lackラック 『3』

EverNeverエバーネバー 『1』


▼習得済スキル▼


Bagpackバッグパック

 ランク1 持ち運べる重量20増加

Lockpickロックピック

 ランク1 BerryEasyの鍵を解除できる

・ランク2 Easyの鍵を解除できる

Hideハイド Enemyshootエネミーショット

 ランク1 V.A.R.T.S.バーツ使用時物陰の敵を撃てる。精度減少

Bloodブラッド

 ランク1 スチムパックで40%回復、RADアレイで40%除去

Extremeエクストリーム

 ランク1 体力20%以下で全能力20%上昇

Specialスペシャル

 ランク1 ハンドガンの威力20%上昇

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