第3話 苦しけりゃサボっていいよ、逃げちゃいな
ちわっす、あたいだよ。
あのさあ、吉沢亮くんって美しいよね。あたいの人生の中で、一番美しい男かも知れない。実写版『キングダム』で、のちの始皇帝をやってんだよね。主役の山崎賢人なんて、ヤマザキのランチパック程度にしか見えない。しかし、こんな美しい顔の男が、始皇帝なんていう中華の極悪人になると思うとガックリだよ。原作はそこまで描くのかな? 読んでいないから、どうでもいいけど。ああ、そこにあたいのこと、オカマとかLGBTとか、何かの枠にはめようとしているやつがいる。あたいはねえ。何者でもないもの。超越してるの。あえて言えば観音さま? もちろんジョークだから。
十連休も今日だ終わりだね。あたいはこの先、死ぬまで半永久的に連休だけどね。羨ましがっちゃいけないよ。おいらの連休、全然楽しくないから。働いてこそ、楽しいのだよ、連休は。
あたいは「明日からお仕事頑張ってください」とか言うキャラじゃないから言わないよ。あんたがた、せいぜい学んで、働いてくれ。でもさ、精神的にキツかったら、絶対に学校や会社に行くな! 寝ていろ。寝ていりゃあ軽い鬱病は治るよ。ああ、くれぐれも抗鬱薬には気をつけな。重い鬱病じゃなかったら飲まないほうがいい。薬害の被害者であるあたいがいうんだ。間違いない。それより、連休が十一、十二……って伸びたっていい。なんなら退学・退職してもいい。あんたなんていなくても日本も世界も宇宙も回る。だいたい、自分が思っているほど、他人はあんたのことを慮ってなんかくれない。いなくなれば他の人が来るだけ。最近は来ない場合がかなりあるらしいけど。もし万が一、あんたのことをとっても気にかけてくらる人がいたら、ジュエリーボックスに入れて大切にしな。いや、本当に入れたら監禁だろうが! 心のジュエリーボックスに入れるんだよ。トンチキが。
なんにしても無理はしないほうがいい。ブッダがさあ、苦行の果てに悟ったことは「苦しい思いをするよりも、楽しく生きたほうがいい」ってことらしいよ。もっとも、鯨統一郎は、ブッタは悟っていないって論理を展開しているけど。ただねえ、ミステリーの連作短編の一つでなんだな。
さて、受験生さんよ。第一回だか二回の全国模試は終わったかい? 天才は学校の授業だけでいい大学に行けるけど、凡人は秀才までにしかなれないから、地道にコツコツやるしかない。まあ、あたいの本当の考えとは全然違うんだけど、あたいに世の中を変える力がないからしょうがない。
あたいが、受験生たちにいい勉強法を教えたろう。受験生がこの雑文を読んでいるとも思えないがね。まあ、参考程度でいいから、興味あったら聞いとくれ。人間には右脳と左脳があるってことは知ってるだろ? 通常の日本人は右利きだから、どうしても左脳が強くなる。ところがねえ、テレビかなんかで観たか聞いたかの受け売りなんだけど、左脳の記憶能力って限界があるんだってさ。よく、あの有名人、顔は思い浮かぶけど、名前が出てこないってことあるだろ。あれが左脳の限界。一方の右脳は記憶の限界がない。つまりさあ、右脳で記憶する勉強をしたら、覚えられる量が増えるという、かなりうまい話だ。だが、うまい話には当然、裏がある。座学ってのは所詮、言語の暗記だろ。言語を司るのは残念ながら左脳よ。残念だったな。
でも、仮にさあ、言語を「この写真はイメージです」的に映像化してみたらどうだい? これなら情報が右脳に入って、無限の記憶が得られるんだ。具体的な方法? そこまでは知らないよ。自分で考えるのも勉強だよ。受験勉強じゃなくて社会勉強だけどね。まあ、一応、傍証として。左利きは天才が多い。あたいはもちろん左利きの左前よ。俗説だっていう人もいる。それは、あたいを見て言われたのかもね。悲しい。
あんまり、この話を盲信しちゃダメだよ。あんたの人生、台無しになっても責任取れないの。
はい、さようなら。
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