第39話 1月3日
僕は明日からの会社に備え、帰省していた実家から夕方戻ってきた。
持って帰ってきた荷物を片付けていると、ほどなくして電話が鳴った。
「しゅんちゃん、帰ってきた?すずだけど」
「ちょうど良いタイミングだね。1時間ほど前に戻ってきたところ」
「じゃあなんで先に電話しないのよ」
「まだ片づけが終わってないし」
1時間のせいで年明け早々怒られる羽目になった。
「まあ、良いわ。あけましておめでとう。本年もよろしくね」
「こちらこそよろしく」
「おめでとうは?」
「おめでとう…」
「ちゃんと挨拶できないとだめよ。子供に悪い影響与えるわ」
「子供いるの?」
「子供作るんじゃないの?」
「そんな話したっけ?」
「多分」
すずさんにとっては、自分の考えていることが僕にはわかっているのが当たり前という想定らしい。
すずさんは、年末年始は会社の人たちと一緒に香港ライフを楽しんだとのことであった。
といっても、どこで何を食べた等食事の話が大半だった。
「そうそう、年末時間があったから、結婚式場も探しておいたよ。家から近い方が良いわよね」
「帰ってくるのはまだだいぶ先の話でしょ」
「何?結婚するの嫌になったの?」
「別にそういうわけじゃないけど」
「あいかわらずはっきりしないわね」
少しご機嫌斜めのまま、この日は電話を終えた。
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