第22話 9月15日
翌日起きてみると、台風は夜のうちに通り過ぎたようで、朝から気持ちよく晴れていた。
僕らは朝から近所の神社でお参りをしていた。
「やっぱり、神社は落ち着いて良いわね」
すずさんは今日の天気のように朗らかに笑う。
「まあ、あまり来ることないけど、確かに落ち着くね」
ぼくは相槌を打つ。
こういった何気ない会話が、あと半月もすれば電話でしかできなくなることに気づいてはいるものの、その寂しさを心の奥の方に閉じ込めていた。
「そうそう、私の健康も祈っておいてよね」
すずさんは深刻にならない程度に柔らかく話しかけてくる。
都合よく頼られても困るだろうなと思いつつ、神様なら「仕方ねーや」とでも言って、力になってくれる気がした。
二人で同じ内容のお祈りをした後、昼ご飯は牛丼のチェーン店に行くか、それとも駅前でラーメンを食べるか、議論を交わしながら、神社を後にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます