ゴールデンウィーク
白井黒鳥(KS)
第1話
――ピピピ・ピピピ・ピピピ…。
耳障りな音が否応にも私の目を覚まさせる。霞みがかっていた視界もだんだんとクリアになっていく。
「うー、頭痛い。」
それもそうだ昨日は夜遅くまで友人と飲んでいたのだから。
服を着替えながらふと振り返る。
世間はやれGWだとかやれ新年号だと騒いでいるが、私は大学のレポートやバイトに追われ友人のラインで今日年号が変わるのを知ったのだ。
友人からのラインは簡単なもので、「新年号を迎えるまで美希ん家で飲もうぜ」とのことだった。
着替え終わりまだベッドで幸せそうに寝ている友人に声をかける。
「ほら夕夏起きて、今日は一緒に服買いに行くんでしょ」
と言いながら夕夏の肩を揺する。
…起きない…
もう一度揺する。
…起きない…
パチン
と鋭い音がなる。
「いったーい」
と叫びながら顔を上げる。
「なんで叩くの!?」
と涙目になりながら夕夏は私に迫ってくる。
「夕夏が起きないのが悪いんじゃない。今日は服を買いに行くんでしょ。」
「でも、叩かなくてもいいじゃん」
と夕夏は頬を膨らませる。
「まぁまぁ、そう怒らないで今から朝ごはん作るから。」
「じゃぁ卵焼き作って、甘いやつ」
と夕夏は目を輝かせながら言う。
それで夕夏の機嫌が直るならそれでいいかと思いながら私は昨日の残骸が残っているキッチンに向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます