第315話【いろんな兄貴】

 ①〝弟分にカッコつける兄貴〟


 弟分「くっ……まだ、俺では奴に勝てないのか……」


 兄貴「おいおいそんなへっぴり腰じゃぁ、敵は倒せねぇぜ?俺の華麗な戦い方を、その両目でしっかりと見るんだなぁ!」


 ②〝ちょっと自慢する兄貴〟


 弟分「兄貴、いま撃たれましたよね?お怪我はないですか!?」


 兄貴「大丈夫だ。問題はないさ。別れた嫁と娘の写真が入ったペンダントが丁度あったからな……」


 弟分「兄貴、相手はマシンガンを持ってきました!!」


 兄貴「予備なら沢山体に巻いているから心配はねぇ」


 弟分「それは無茶です兄貴!奇跡は二度も起きません!」


 兄貴「うっ……受け止めてヤラァァァァ~かかってこいやぁぁあ!! 」


 ③〝心配性兄貴〟


 兄貴「くそっ木の枝で顔を切っちまった!早く手術をしないと……」


 弟分「兄貴、それよりも取引を――」


 兄貴「バッカやろうぅ!何か知らない感染症になったらどうすんだよおぉぉぉ!!」


 ④〝信じちゃう兄貴〟


 弟分達は凶弾で倒れた兄貴を前にして泣いていた。


 誰もが分かる死……呼吸は虫の息だ。


 弟分「ですから兄貴……もう喋らないでください!」


 兄貴「やってやって、お母さんが言ってたもん!」


 弟分達「痛いの痛いの飛んでけ~(ドスの効いた棒読み)」


 兄貴「痛みがなくなってきたような――」


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