第3話【ランプの魔神】


 仲の良い三人組が曾祖父の古屋で遊んでいた。


 ある日、埃の被ったランプを手にいれた。


 例の如く丁寧に擦ると、物々しい雰囲気を醸し出す青の巨人――通称〝ランプの魔神〟が現れた。


 地響きを起こすほどの声量で魔神は言った。


「汝らの願いを3つ叶えてやろう」


 指を3本上げ目の前に示した。


 こんなチャンスは滅多にない。


 少年達は、思い思いの願いを述べた。


 AとBが直ぐ様、声を出す。


 A「3人で一生仲良く過ごしたい!」


 B「死なない体が欲しい!」


 順番に魔神の指が折られ残り1つ……「う~ん」と唸るCは閃いた。


 


 C「(魔神の)指の数をえげつない程に増やしてくれ!!」


 魔神「汝らの願いは分かった。さぁ、叶えてしんぜよう」


 魔神は高らかにそう宣言すると、白煙が小屋を包み込み願いは叶えられた。


 Aの願いで〝融合〟し、Bの願いで〝核〟でも死なない体を持ち、Cの願いで〝億〟の指で這いずり回る化物になって――

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