第2話【春の訪れ】


 時は現代――


 虫A『もうそろそろ春か。さぁて、外へ出て可愛い子でも捕まえにいきますか!!』


 虫B『やれやれ……Aは幼虫の頃からせっかちだな!!俺もついて行くぜ』


 虫C『幼馴染みとはいえ、同じ場所で成虫になるのも悪くないな。一緒に子孫を残そう』


 地上へ向かい3匹は突き進む。

 しかし、とある問題が起こった。


 全員『『『あれ?……出れないぞ!?』』』


 虫A『おい、何だこれ!!上へ……行けないじゃないか!』


 虫B『大丈夫だ、多分これは木の根!!俺達の歯で噛みちぎれるはずさ!!』


 虫C『そうとわかったら、土手っ腹に穴を開けてやろうぜ!』


 彼等はまだ知らなかった。

 現代ではありのままの自然を破壊し、人工物……もとい、〝コンクリート〟を使って埋められていることに……


 まだまだ彼等の、〝春の訪れ〟――と言った所でございましょうか。

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