第26話魔物の森

エブァンは、ファティマのもとを訪れいた。


エブァンが到着していた少し前


「ファティマ様、そろそろ終わりますでしょうか?」


「ええ、あと少し1時間もあれば完成するわ」


「では、私どもは一度戻ります」


「そうしてちょうだい」


「私の代わりにマリー様の護衛を」


「は!」


警戒魔法を強化してと。


作業に取り掛かった


ここの方式をここにしてと、定着しないか。

それならここかしら………いい感じに定着くし……た?


………ドン‼︎…………背中の中央を叩かれた


え!


「今な、にをし……た……」


バタン、その場にファティマが倒れた


「手こずらせやがって、これで任務は完了だ、せいぜい楽しませてもらうとしよう」


その場を立ち去って行った。


「いなくなったわね、許さない、いい所だったのにって体が動かない、仕方ない、空中魔法ってこれも!まずいわね。私に気がつくまでかなりの時間が掛かると追跡もできなくなる」



もがいてはみるものの指一本うごかなかった。

ただ頭で考えているだけで動いていない。

さっき奴はなんだったの?警戒結界に気がつかないなって無いのに気が付かずに、近寄って私に触れたのもおかしい話なのよね。何かのスキルがあるのは間違いんだけど。

誰かが来るのを待つしかないか。




それから30分後




エブァンが到着したところだった。


―――誰か倒れてる?―――!?


「おい、ファティマしっかりしろ」


「エブァン、いいところに来たわね」


「何があった?」


「体が全く、動かないのよ、それと魔法も使えなくなっているみたいなの」


「わかった、マリー様の所にお前を連れて行く、話はそれからだ」


「ええ」


エブァンは、ファティマを背負って走っていた。

ファティマの体から魔力が微かに残っている程度で魔法陣での移動が危険だったからだ。

行えば、間違いなくファティマこの体がチリと化す。

それを避けるためだった。


「せっかく、すごい結界出来るところだったのよ、治ったら許さないから」


「人の背中で騒ぐな!急いでいるんだ、黙っててくれないか」


「わかったわよ」



30分はかかった、魔法陣で来れば3分でつくのだが走っているせいで時間がかかった。



「マリー様大変です、ファティマが」


急いでいたせいで扉を壊して入ってきた。


「慌てるのはいいけど、これどうするのよ!壊れちゃったわよ」


「申し訳ありませんがそれどころでは無いのです」


「ファティマ、なんでエブァンの背に?」


「マリー様、申し訳ありません、不意打ちを食らったみたいで、体を動かすことも、魔法を使うこともできなくて、エブァンに連れてきてもらったのです」


マリーの体から魔力が漏れ初めていた。


何をしてくれたのかしらね。



「エブァン、物達ここから出なさい」


「は!」


(はい)


配下がでたのを見た後


「ファティマ、大丈夫?」


「首から頭は平気みたいなんですが」


「そう、わかったわ」


ファティマに手をかざすと、宙に浮く。


「きゃ!」


「ファティマ目を閉じてて、いいと言うまで開けないでよ」


「はい」


魔力をファティマにさぞが始めた途端なくなっていく!


まさかして、魂に目をやった。


まずい、このままだと魂がなくなる。


魂にそっと手を触れ慎重に、壊れ物を触るように魔法解消を行なっていった。

細かい小さな魔法陣を針に糸を通すよう消していった。

それは3時間を要した。


全部なくなった。よかった。後は体、ファティマの体にマリーの特殊な魔力で覆い始めた。


マリーの魔力には8種類の魔力が存在する


防御に特化した魔力

攻撃に特化した魔力

移動に特化した魔力

闇に特化魔力

光に特化魔力

魂に使う魔力

時を統べる魔力

属性に特化した魔力


これらの魔力はマリーの中で常に有り、それを瞬時に使い分けている。

今使ったのは防御と闇を混ぜた魔力、これをたましいに注ぎ込んで内と外から覆う、そうすると魔法陣を破壊し、闇へと葬ることが出来る。

後は闇の魔力だけを回収すればいい。


しばらく経つと破壊出来たようね。


闇回収してと。


ゆっくりと床に寝かせた


「ファティマ、目を開けていいわよ」


「気分はどう?」


「マリー様に包まれて〜しあわせ〜……」


「ファティマ!」


「は!はい大丈夫です」


「危なかったのよ、もうすこし危機感を………」


「――――素敵でした―………」


ダメだ、いっちゃってる!


「いいから、体動かして」


「はい!…………」


「動かせているみたいだね」


「問題ないです」


「結界魔法してみて」


「…………」


「出来ました」


あとは服ね。


手を叩き。着替えを終えた


「エブァン、いるわね」


「ここに」


「私、ちょっと怒ってるのよ」


「申し訳ありません」


「何に怒っているのかわかるのかしら?」


「我らがいながらファティマに怪我を」


「違うわ」


「いい、エブァン。私を心配してくれるのはわかるわ、でもそれで周りの警戒を怠るのはどうかしら?」


「それは」


「配下に任せたままにしていないかしら?ちゃんと確認をしたのかしら?」


「クオン、キリウス、イブーリスは、何をしていたのかしら?私を追ってくるのはいいけれど、こんなんでは任さられないわよ」


「申し訳ありません、その指示を私が出しました」


「そうね、だから言っているのよ」


「今回3人には怒りませんがエブァン、一度頭を冷やしてきて欲しいのよ、私が言いたいことわかるわね」


「は!行ってまいります」


「時間は5分、その後連れ戻します」


「は!」


空間魔法発動し、その中にエブァンは自ら入っていった


(マリー様、エブァンだってマリー様の事思ってやったことなのに)


(違うよ、そうだから強くなって欲しいから送ったんだよ)


(それでも5分はかなりやばいよ)


(エブァンなら大丈夫だよ)


(そうかな?見に行ったらダメかな?)


「みんな言っていることは正しい、だからこそよ」


5分後迎えに空間魔法を発動しエブァンを連れ戻った。

ボロボロな姿になってはいる。


エブァンを回復する。


「エブァン、お疲れ様どうだった?」


「相変わらず、ケタが違いすぎるんですよ」


「そうね、強さで言うと5倍位強いんじぁないかしら?」


「そんなのと戦ってたの?」


「昔は、よく一緒に入ってたわよね」


「そうですね、でも今回のは、流石にやばかったですよ」


「お仕置きだからね」


「でも、傷だらけですんだからすごいじぁない」


「防御魔法極限まで高めて攻撃してましたからね、それなかったら死んでますって」


「ふふふ」


「笑い事では無いんですよ、本当に死ぬかと思ったんですから」


「だって、そんな風には全く見えないんですもの」


「いいですよ、これでお仕置き終わりましたからね」


(マリー様、向こうには何がいるの?)


(そうそう、2人ばっかりずるいよ)


―――それはね、この世にいた最強の猛獣よ。


(マリー様それ飼ってるの?)


――――そうよ、この世界に出したら破滅する、というよりはしたわ


(そんなことあった?)


(無いよ)


―――じつわね、世界が崩壊し、街が4つになる時に、いたのよ、ここに


(ここって川の向こう側!)


―――そう、ここだけが変わらずに残っていたの、でもね、4つになった理由の一つに猛獣が関わっていたのよ。地を空に投げたのよ、そしたらそのまま宙に浮いてしまったのよ。

それが空なのよ、木が慌てて空間の狭間に閉じ込めたのよ。猛獣があまりにも強くて、木ですら、もて余すほどだったのよ。


(それとエブァンが戦っていたの?)


―――そうよ、ただし強さの加減を調整したけどね。


(調整できるの?)


―――出来るようになったのよ。


(なるほどね)


「エブァン、ファティマ自分の作業に戻りなさい」


「「は!」」


ベットに横になりながらゆっくりと休んでいた。

そろそろ結界が貼り終わるのかな。



「マリー様、結界が貼り終わりました」


マリーの前にファティマが現れた。


「他は、まだ報告が来ていないから、待ちましょう」


「はい」


「そういえば、まだ、物達が知識を一つ教えてもらっていないんじゃ無いかしら?」


「はい、たしかに」


「見えるでしょ、物達?」


「はい、人の形をしていながら一人一人が持っている物が違うのはわかります」


「ちゃんと見えているようねそれなら、これから教えてもらいましょう、ただ待っているなんて勿体ないでしょ」


「マリー様が良ければ」


―――みんないる?


(はーい、マリー様呼んだ?)


―――ファティマに知識教えてあげて


(いいよ)


「ファティマ、手を出して。それとどんな知識がいいか頭に浮かべて」


「わかりました」


―――お願いね


(はーい、始まるね)


緑色の光が辺りを包み始めた。ファティマの周りに集まるように集まって行くのがわかった。


思わず


「綺麗」 


と呟いてしまった


これは緑の知識を求めてるんだろうと予想はしていた。

スキルだと思っていたのだがそうではなかったようね。


しばらくすると緑色をしたオーラみたいなものがファティマの中に入っていった。


(マリー様終わったよ。大成功以上の知識を手に入れたみたいよ)


―――そうなの?


(ちょっとびっくりするぐらいにステキな知識とスキル得たわよ)


―――知識とスキルも?


(そうなのよ、それが知識だけをあげるはずだったのにスキルまで手に入れちゃったのよ)


―――あげた、訳ではないの?


(それが知識だけ、あげたの。そうしたら急に知識が言うことを聞かなくなって、スキルを取得し始めちゃったのよ、ビックリだよ)


―――ファティマだからね、あり得ると思うわよ。魔女王だからね。


(なるほどね、王だったんだ。それなら納得)


―――そうでしょ、ほかに王はイブリース、クオン、キュウが王だったわね


(結構いるね)


―――他にも色々、配下集めているんだ


「マリー様、無事物達より知識をいただきました」


「よかったわね、あとイブリースに、クオン、キリウス、キュウだね」


「マリー様終わりました」


「みんな集まったわね、これから、ファティマが貼ってくれた結界に移動するわよ」


「イブリース、クオン警戒は任せたわよ」


「は!」


結界内の中央まで来た、イブリースが結界を張ったものから解放しましょう。


「みんな結界の外へ、周りを警戒してて」


「は!」


配下ぎ結界の外へ移動が終わるのを見計らって、解放を始めた。


イブリースが貼った結界に手を当ててゆっくりと体の中に魂があるかを確認する。


魂が砕けそうになっている、魂そのものに細かい亀裂が無数に入っているつついたら砕けてしまうほどだ。


砕けてしまった魂は消して元には戻せない。


ギリギリね、でも大丈夫。マリーは唱え始めた


「いたわりと優しさ 母なる海に抱かれ その身を捧げる ラージエナファショ」


横たわる、死体の中にある魂が再生を始めた。

無数の亀裂が塞がっていく。

もう少ししたらきっと全てふさがるわね。その間にもう一つやらなくては。


魂が戻ってもそのままだと息を吹き返さない。体と魂を結びつけなければならない。


光の糸を出し始めた。髪の毛よりも細い光の糸を大量に出し始めた。


出した糸を再生が終わった者から体と魂に結びつけていく。

体は光を放ちだしていた。

全ての者を終わらせると結界を解除した。


これでしばらくすれば目を冷ますわね。


その瞬間マリーが倒れたと、同時にエブァンが受け止めた。

流石に魔力を使いすぎたわね。あそこに行けばまたできるけど体に負担がかかりすぎたかも。


「マリー様大丈夫ですか?余り無理をされては困ります」


「みんなが待っているから頑張らないと」


「一度隠れ家に戻って休んでください」


「配下の方は、私が指示を出しておいますので」


「1人で行くわ」


「そうはいきません、では、戻ります」


これは恥ずかしい、昔はよくしてたけどお姫様抱っこは、やめてほしいので、エブァンに言うと却下された。


「エブァン、次したら怒るわよ」


「嫌なら、倒れるまでやらないでくださいよ。こうでもしないとまた、やるでしょマリー様は」


「それを言われると………」


言い返せないのが悔しい。

ベットに横になりながら回復をしていた。

目をつぶり、魔力の流れを確かめながら回復に専念していたのだが隠れ家の入り口の前が騒がしくなっていた。


今隠れ家の入り口を子供達のいる建物の中に移動してあるのだがとにかくうるさい。

何かあったのかと、体を起こし外へ出てみると、子供達や、学民達やら配下やらでごったがいしていた。


「マリー様だー」


大勢にかこまれた!


「みんなどうしたの?」


「どうしたじぁありません」


「そうだよ、マリー様が倒れたって」


「エブァンは、大丈夫って言ってたけど見ないと信じられなくて」


「僕たちもマリー様の顔見たかった」


ここぞとばかりに話していた。


で、肝心のエブァンは……押しつぶされてるよ


「マリー様、すいませんみんな言うこと聞かなくて」


「エブァンも大変ね」


「そう思うのでしたら、助けてくださいよ」


「みんなエブァンが言っていることは本当よ、だから、離してあげてくれないかしら」


「仕方がな、今度からちゃんと守れよ」


「そうだ、マリー様に何かあった時は、俺たちが許さないからな」


「僕たちのマリー様大事にして」


そんなことを言いながらみんなが帰っていった。


「参りました、ちょっと倒れたと言ったらこの有様です。今度からはいうのやめますよ」


「エブァン、それはそれでもっと大変なことにならないかしら……」


「それってどっちも大変じぁ………はぁ……」


みんながマリー様を、大事にしている証拠なのは間違いから、諦めるか。


「マリー様、大変です」


「今度はなんだ、次から次へと」


「エブァンもいたのですね。丁度良かった。今、建物の前に魔物が来たんですが、全く相手にならずじまいでして、このままだとここが危ういと判断し、マリー様を呼びに来たのです」


「なんだって、今行く」


「エブァン、たぶん…」


「わかっておりますが、ちょうどいい機会です、相手をしてもらいましょうよ」


「それいい考えね、きっと察して相手になってくれるわよ」


「わかりました、先に俺が行っています、マリー様は、部屋で休んでいてください」


「いいけど、頃合い見計らって私を呼ばないと大惨事にだけはしないでよ」


「分かっています」


「なら、任せたわね」


マリーは部屋に戻りベットで回復を始めた




「エブァンか、こいつは厄介だぞ」


「クオン、お前が泣き言など珍しいな」


「バカを言え、ここで大暴れしていいならするぞ」


「構わないが、死ぬよりきつい地獄を見たいというなら構わないぞ」


「だからやらないんだ。マリー様の地獄はきっと死んだ方がマシだと思うだろうな」


「そうだ」


「なんだ?見たことがあるようなセリフだな」


「ついさっき、見てきた。あれは地獄の方がマシかもな」


「冗談でも、笑えないぞ」


「それだったらどんだけ良かったか」


「本当か?」


「そうだな、今度お前も味わってみろ、俺の言っている意味を理解する」


「いや、辞めておくさ」


「賢明な判断だな」




「それでお前らはマリーの配下なんだろう?こんなに弱くてよく配下が務まるな」


「手加減してるに過ぎない、マリー様が出てこなくても俺たちで十分だ」


「ほー、ならば相手になってやらんでも無いがまずはマリーに合わせてもらおうか」


「マリー様から任せたと仰せだ、出てこなくていいと判断したようだぞ」



なるほど、マリーは無事か。それならマリーの魔力が回復するまで遊んでやるか。

安心して笑みがこぼれる。


「そうか、ならかかってくるがいい」


「何がおかしい?」


「それが聞きたいのなら、力ずくで聞き出せばいいだろう?」


イブリースが到着したようだ。


「おい、手伝おうか?」


「いい、俺とクオンだけでいい。イブリースは子供達と学民、辺りを警戒してくれ、相手している間襲われでもしたらもかなわんからな」


「わかった、無理な時は俺も手伝うからな」


「その時は頼んだ」


「ああ、俺はいく」


「任せた」




「待たせたようだな」


「構わない、いつでもかかってくるがいい」


「いくぞ」


2人の戦闘が始まった

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