第27話覚醒と解放

エブァンは、目の前の魔物を目視していた。どこかで会ったことがララようだった。

見た目が魔物なのだが雰囲気がどこかであったようなそう思わせる。

俺の勘違い?


最初に動いたのは、クオンだった。人の姿のまま、攻撃を開始したのだった。


エブァンから武器を受け取りそれに交付されている魔法を使い始めた。


「エブァン、なんでよりにもやって俺が扱う属性と逆なんだ?」


「それしかなかったんだよ、文句言うな。貸さないぞ」


「仕方ない、これでいい」


「俺にケンカ売ってないか?」


「お前の勘違いだ、正直言っただけだ」


「それを喧嘩売ってるって言うんだよ、いいやるぞ」


「お前の援護に回るから、クオンは、好きに戦ってくれ」


「わかった、その方が助かる」


交戦が続く、クオンが切り掛かりにいき、その隙に弓を引く。


「おい、真面目にやれ全然効いていないだろ」


「それを言うならお前の弓も避けられてるだろ」


「バカ、避けた隙をついて攻撃するんだろうが」


「してるだろ」


「してても効いてなければ意味がないだろうが」


「お前ら、やる気あるのか?」


「「あるに決まってるだろ」」


「その息があったなら、攻撃にも活かせるだろ」


「「!?」」


「お前ら大丈夫か?マリー任せるの不安になってきたぞ」


「さっきからマリー様を呼び捨てにしやがって…」


クオンの動きが急に上がった。

ダメージを与えられるようになった。


「なんだ、やれば出来るではないか」


「ふざけるなよ」


剣を投げやがった


「バカ、やめろ。ここ一帯なくなるぞ」


あちゃー、キレてる。


「いい攻撃だが、ここら辺がなくなるのは困るな。エブァンと言ったか?できるなら結界でこの辺り貼れないから?」


「いや、出来るが」


「少し本気で行くからやってほしい、頼む」


「わかったってなんで俺?」


「マリーに殺されるぞ、いいのか?」


「やればいいだろ、やるよ」


クオンが猛獣化して戦い始めたもんだから、ここら辺すでに地がえぐれ始めていた。

急いで結界魔法を衝撃がここより先に行かないやうにした。

止める暇もなく人の姿から猛獣になって攻撃を今もしている


「あぶっな」


「こっちに来るな、お前のせいでとばちっりを食らっているんだぞ」


「私がお前を守ってやろう」


「だからな、聞いてないだろ俺の話」


「ダメだろうな、頭を冷やしてやらないと」


「そうみたいだな」


「やってくれ」


「わかった」


どうも魔物なのにあったことがあるんだ?こんな魔物知り合いはいなかったはずなのだが。

人間に近いが、肌の色が違うその時点で魔物なのはわかる。

魔物でも知っているやつは1人は知っているがあればはだの色が黒っぽい奴だが目の前にいる奴は、灰色の肌をしている。

顔の形も違うんだが、気になるな。態度もそれを証明しているし、マリー様を呼び捨てにしている時点で、知り合いなのはわかっていた。その為呼び捨てにされても怒りはなかったのだが。


「そろそろ、トドメだ」


一瞬の動きでクオンの背後に立ち首の根元に拳を叩き込んで終わった。


「こんなものかな」


クオンは、泡を吹いて倒れている。


そろそろマリー様がこちらに来るように言うべきだろうな。


「今からマリー様をお呼びする、待っててくれ」


「ああ」


配下に呼びに行かせた。




数時間前



魔物の山の頂上で、マリーが結界の中央にいるのが見えた。魔物は目がいい、普通の人間では見えなくても、魔物には丸見えだ。

マリー、何かを解放しているようだな。

幼かった頃よりずっと魔力の扱いが上手くなっているな。

そうそう、いい流れをっておい、それやめろ魔力尽きるぞ。

言わんこっちゃない。

マリーが倒れるのが見えた。

これなら、魔力流れの使い方教えてやった方いいかもな。

人間よりは魔物の方がそれにかけているし、マリーの場合扱う魔力の種類多すぎなんだよ。

だいたい反則だろ8種類なんて初めて見たぞ。

どんなに多くても2種類が人間には限界なんだ、魔物でも3から4種類が限界、俺ですら4種類だぞ。

それが8種類ってな。

出会った当時からほかの人間とは、魔力量桁が違っていたから、今更驚きはしないがな。


とにかく、マリーに合わないといけないか。

このまま下に降りたら、それこそ攻撃の嵐になりかねないさてどうしようかな。

そうだ、幼児体形になれば少しはマシになるか。

どこまで戻すかだな。

幼すぎると動きにくいし。

今のマリー位でいいか。

あとは、肌の色か。

できればもばれたく無いしな。他の魔物にバレるとそれこそもっと面倒になりかねないし。

これ使うか。

アリーの足元に岩の粉があった。これを自分の他の魔物の魔力と混ぜて体にまとわせればっと。

いい感じだな。これなら、ほかの魔物には、俺だと気がつかれずに済みそうだ。よし、降りるか。


降りてはいるのだが、なにせ俺だと分からないから襲って来るわ来るで降りるのもめんどくさいな。

一撃で倒せるんだが、ゴミ排除してる感じだからもうしわけないな。殺してはいないがちょっとやり過ぎると、それはそれで面倒、山の中央付近で瞬時に移動した。

これ使うのいいけど、この体かなりダメージになるな。


元に戻れば、治るが

お前らもか。

マリーの配下が襲ってきた。


勘弁して欲しいぞ。

マリーに教えにきただけなんだかな。


でだ、今を迎えているのだが、なんとなくマリーが鍛えてほしいと言ってこいつらを俺と戦わしたいんだなと悟ったのはいいが弱い。

こいつらも少しはやるようだが、俺の足元ぐらいにしかならんな。



――――――


「マリー様、失礼致します」


「入っていいわよ」


「エブァン様より伝言でございます。お越しくださいとの事です」


「そう、今行くわ」


「は!失礼いたします」


その場から消えるように移動した。


「マリー、遊びに来たぞ」


アリーの前にマリーが現れた。


「エブァン?終わったのかしら?」


「は!すいません、ここら辺破壊してしまいました」


「いいわよ、そうなるから、ここにしたんでしょう」


「はい」


「ところでマリー様、この方は?」


「エブァンわからないの?、私ここに着いた時には気がついたわよ」


「え!…………!」


「アリーなのか?」


「お前ようやく気がついたのか、遅いぞ」


「遅くない、わかりにくいんだよお前のは」


「何を言ってる。わかりにくくしているんだ。そもそもマリーは、ここに俺がついたら気がついていただろう?」


「そうみたいだな、ずっと違和感しかなかったからな」


「まあいい、マリーに用があって来たんだ」


「アリーどうしたの?山を降りるなんてないから、何かあったのかしら?」


「あったじぁないぞ、なんだあれは?」


「え!」


「え、じぁない。魔力の種類8種類って普通ありえんだろ」


「そうなの?こないだ物達に教えてもらってようやく定着したところなのよ。これが案外難しくて、ようやくコツを掴んだのよ」


「通りで流れがおかしいと思った、さっき倒れただろ?」


「そうそう、あれ思ったより魔力の流れ早すぎて一気に出ちゃったのよね、それで使いすぎて倒れたのよ」


「当たり前だ、流れの扱いを教えに来たんだ。あれではマリーの体の方が持たないぞ」


「それは困るよ」


「とにかくだ、お前の隠れ家に行くぞ」


「あそこ、あなたはいらないわよ」


「なんでだ?俺が魔物だからか?」


「それ関係ないよ、あそこに入る条件があるのよ」


「なんだ言ってみろ」


「私の配下になる事だからあなたは入れないでしょ」


「なんだ、そんなことかいいぞ。お前の配下になっても」


「あのね、アリーは簡単に言うけど、どうするのよ貴方の配下やほかの魔物達、私の言うこときかないでしょ」


「マリーなら、簡単に言うことを聞かせられるだろ」


「バカ言わなないでよ」


「簡単だ、やればいいだけだ」


「魔物は強いやつに従うからな」


「体おかしくしそう」


「なら、来て貰えばマリーは動かずに戦えば楽だろ」


「それなら、いいわね」


「と、その前にお前の配下になるのに何かやるのか?」


「特に無いわよ、なるって宣言するだけだから」


「だからアリーもう入れるのよ、ただし、中に入ってもしそれが嘘だとしてら、どんなことがあっても結界に阻まれて、何をしても無になるから気を付けてね」


「なることはないな」


「それならいい」


「なら、移動するわよ」





「さて、教えてもらおうかな、その前にここでそれしたら物達がいなくなちゃうから、洞窟に移動しましょう」



アリーとマリーは、洞窟の最深部まできた。



「マリー、これはどういうことだ?」


球体の前にアリーが立っている


「それ?魔力溜めるやつ」


「それはわかる、中に入っている量だ」


「いやー体に溜めすぎていたみたいで出したのよね。それ5時間前の話なんだ」


「もしかしてだけど、粉取りに来た時にこの中の魔力がお前の中にあったってことだよな」


「そうだよ、だから急いでいたのよ」


「これ、あそこでだしてたら……」


「そう、消えていたわね全て、ここの世界すべて無になるところだったのよ、一時はどうなるかと思ったけど良かった」


「お前なー、危機とか言っている話では無いぞ、それこそ世界の終わりってレベルなのわかっているか?」


「そうよ、だからものすごく急いでいたのよ、それなのにみんなしてジァマしてくれるからね」


「とにかく無事で済んだだけよかったよ」


「まあね、それで一応動いても支障がない程度には魔力回復したけど足らないでしょ?」


「そうだな」


「ちょっとまってて」


マリーが球体の前に立ち手を触れるとその中の魔力がマリーの中に戻る。


「これでいいかしら」


まてまて、あの中の魔力戻せるのか。そんなこと、いいやマリーはできるという事にしよう。

いちいち驚いていてはこっちが疲れる。


「それも出せるんだな」


「そうなのよ。貯めておく事が出来るんだ便利でしょ、でもね、これ壊れたら全部出ちゃうから大変なことになちゃうんだよね、いくらここが異空間でも関係なく表に出るから結果的に崩壊するんだよね」


「簡単に恐ろし事言うなよ」


「この中にある魔力全部揃っているから異空間意味なさ無いのよ。困っているんだよ、だからこの球体を作ったんだから」


「そろそろ始めるか」


「そうだね」


「まずは、一つづつ魔力の種類べつに出してみろ」


「わかった」


全ての魔力を出し終えた


「これで全部だよ」


「よし、そしたら2種類ずつ出してみろ」


出し始めた途端急に大量の魔力が漏れ出した


「ストップ」


「なんかダメなんだよね」


「簡単に説明するぞ、料理はするだろう?」


「急にどうしたの?」


「しないのか?」


「するわよ」


「なら簡単だ」


「料理と同じように魔力も扱えばいい」


―――?


「料理は、具材を混ぜたり、炒めたり、味付けなどするだろ」


「ええ」


「それと同じように違う魔力を混ぜるそれだけではダメだ、料理と同じように魔力を混ぜる、味付けを違う魔力を少し混ぜるそうするとうまくいく」


「なるほど、わかりやすい」


「なら、やってみろ。ただ、3つ目の魔力を入れすぎてもダメ出し多すぎてもダメだ、やってみろ」


「わかった」


「そうだ、あとは全ての魔力の組み合わせをしていけばいいだけだ、回数をこなせ。魔力がなくなれば後ろから貰えばいいだろ」


「頑張る」



――――


4時間後



「全て出来たアリーありがとう」


「それは良かった―――!?マリーどうした?」


「体が半透明になってるね。多分これから私覚醒すると思うよ、しばらく消えるけどここに戻って来るからま…って…いて………」


「マリー!」


本当だろうがエブァンに知らせておくか。


洞窟の入り口にあるものに呼んでもらうよに頼んだ




「おい、マリー様はどうされた?いないぞ」


「それがな、魔力の流れを覚えたのはよかったのだが、マリーの体が透けて消えたんだ、マリーが消えるけどここで待っていろというのだがすでに20分は経過している」


「それなら大丈夫だ、前にもそんなことがあったからな、その時は5時間帰ってこなくて流石に焦ったがな」


「その時は待っているしかないんだよ」


「とにかくアリーはここで待っていてくれ、食事とかは用意させて、俺がここに持ってくる。トイレは左手前に扉があるからそこにしろ、布団は右手の棚の扉を開ければある、ほかに何かあるか?」


「いやないが、物揃いすぎてないか?」


「当たり前だ、マリー様の部屋なんだぞ、あって当たり前だし、物達に俺が殺される」


「そうだったなマリーは、昔から物達に好かれていたな」


「今では物達の王になっているがな」


「おい、それって」


「そういう事だ」


「好かれているだけの話ではなくなっているぞ」


「そうだ」


「待つとする」


―――――


ここどこ?こないだいたところと違うような。


―――また会ったねマリー。


―――うわ、またでた


―――ひどいなー化け物みたい


―――違うの?前回確か現代であったよね


―――そうそう、今回は異世界!


―――なんか楽しそうだね


―――それはそうだよ。だってマリーが僕達と同じ聖域に到達しそうなんだから。嬉しくてさ


―――私嬉しくないんだけど


―――そんな事言わないでよ、今まで生きている人で僕達と同じ聖域に達した人いないからやっとだよ。


―私に何をしろと、そもそも私、木から頼まれごとされているからそっちが忙しいんだけど、これ以上変なことに巻き込まないでよ


―それがそうもいかないんだよね。木がもうじき学ばない民の手で切り倒される。そうなったら大変なんだそうなる前に君は仲間、配下を集めているんだったでしょ。


―――そうよ


―もしそれが早まってしまったらどうする?


―何ですって


慌てて時計を出した!?


―――これ!


―――そう、現代の君が元に戻したはずの時間だけど今度は異世界でもそれが始まっているですって


―そうだよ、それが元に戻せるためには君が今覚醒をして、直す必要が出てきたんだよ


―――もしかしてデカイ時計だすの?


―――そう、あの時計には、人の手で作られた時計は全て破壊されるようにできている。


―――生まれた時からある時計は魂とつながっているから壊れたり破壊したりするのはできない。

魂が砕けない限り無理なんだ。

そして、覚醒には条件がある1つは物達の王になる。

もう一つが今回の魔力の流れの取得。

最後に僕の知識を教える

これが全て揃うとどうなるか。

それは時間の操作ができるようになる。


―――それって今にもできるよ


―――確かにできていたが、それはマリーも対象だろ、そうではなくて時間の流れの中で、自分だけが動くんだ。


―意味がわからない


―――簡単に言うと川が時、大地や空が世界だとする。川の中をマリーは歩いてその時の場所に行き状況を変えてから元の時の場所にもどる事ができるようになる。



―――それつまらなじぁい、やり直すってことでしょ


―――違う、その時に2人のマリーが存在すると言えばわかるか?


―――それって状況を自分で操作するってこと?


―――そういう事。世界を思うがままに動かして導ける。もちろん、この世界があるままでね。


―――思い通りにするのはいいけど、結果的に気に食わなかったら書き換えてしまえるでしょ。それこそ傲慢さの何ものでもないよ。


―――それも一理ある。だが、今は導きが必要な時、それを行いその後は使わなければいい。今は、民を導いてあげないと現代、異世界共になくなる。

それか導かない民だけを殺す事もできる。


―君なら、どれを選ぶんだい?どちらかは選ばないといけない。


―――それなら民を導く方を取る。いくら学ばない民だからとて何もしていないのに殺していいわけないよ。


―――マリーならそう言ってくれると思っていたよ。


―――なら、始めよう。


―――わかった、でも何をすればいいの?


―――マリーはそこに立っていればいいよ


―立っているだけでいいの?


―――そう、始めるよ


マリーの魂を包むかのように知識の流れが流れ込んで行く。

それを理解しようと魂が震えて光り出した。


―――これ、なんか暑いよ。


―――そうだね。もうすこしで終わるからね


輝きは色を変えて虹色に輝いた。

光が落ち着きを取り戻した頃。


―――マリー大丈夫?


―――平気だよ、それにしてもここどこなんだろう


―――ここかい?ここは時の流れの中、誰もたどり着くことのできない場所、僕はずっと、世界を見守り続ける存在。自分から何かができたりはしない。

マリーみたいに来てくれない限りはね。

昔一度だけここにきたものがいた。それはマリーが知っている木の魂なんだよ。

だが木は導きができなかった。動けなかったからね。



―――そろそろ行かないと


―――そうだね、そういえばマリーには名乗っていなかったね。ちゃんと名はあるんだ。木がつけてくれたんだ。

僕の名は時の旅人異世界や君のいる現代の人はそう僕を呼ぶけど木はそれだと名ではないとつけてくれた。

時の旅人ことアデルバートだよ。これからよろしくねマリー


―――うん、アデルバートまた会いましょう


―――時の旅人が1人増えて楽しくなりそう。また会おう


マリーは、元の異世界へ戻るのだった。



――――――もし、次に会うときはきっと…――――――



「エブァンか、マリーはまだ戻ってないぞ、本当に帰ってくるんだろうな」


「当たり前だ」


「それにしても長くないか?、6時間経過しているんだぞ」


「待つしか方法がないんだ」


目の前に淡い光がではじめた。


「帰ってきたようだぞ」


「これがそうなのか?」


「そうだ、もう少しすればはっきりとマリー様だとわかる」


淡い光がだんだんと形をし始めた。

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