うちのパーティのマヨネーズがこんなに可愛いわけがない

エリー.ファー

うちのパーティのマヨネーズがこんなに可愛いわけがない

 もうっ、あんたもういい加減、あたしとマヨネーズマヨネーズしちゃいなさいよ。

 こんなに可愛い魔法使いがいるのに、なんで、手を出さない訳。すごい憶病だし、そんなんじゃ女の子に好きって言って貰えないんだからね。

「うるさいな。」

 うるさいって、何よ、そういうこと言うからいろんな人に根暗とか言われちゃうのよ。酒場であんたが一人でお酒飲んでたから、じゃあ可哀そうだし仲間になってあげようかなって思ったのに、あぁ、損した。こんな、オタクで根暗な勇者様だったら、絶対パーティなんか組まなかったのになぁ。

 それに、全然マヨネーズマヨネーズしてこないし。

「会って少ししか経ってないのに、なんで、そんなこと。できるわけないだろ。」

 やっぱりね。

「何が、だよ。」

 やっぱり、ね。

「だから、何だよ。」

 あんた、さてはマヨネーズマヨネーズしたことないんでしょ。

「ぎっ、ぎくっ。」

 ほぉら、やっぱり。

 マヨネーズマヨネーズしたことないんだ。本当は、マヨネーズマヨネーズのやり方も知らないんでしょ。どうせ、ネットとかで見て、はぁはぁ、言ってるんだ。うっわぁ、だっさぁ。

 本当に、駄目な勇者ね。

 マヨネーズマヨネーズくらいで何、めっちゃいきりたっちゃって、超気持ち悪いんだけど。はぁ、最悪、本当に最悪。

「じゃあ、お前はどうなんだよ。」

 えっ。

 なっ、何が。

「そのっ、あの、まっ、マヨネーズマヨネーズ。」

 はっ、はぁ。

「どうなんだよっ、お前はマヨネーズマヨネーズしてんのかよ。」

 しっ、してるわよ。当たり前でしょ。見ての通りの超可愛いマヨネーズなんだから、そんなの当たり前に決まってるじゃない。

 マヨネーズがマヨネーズマヨネーズしてないとか、さすがにあり得ないでしょ。

 それくらい分かって言ってるのよね、あんたこそ。ねぇ。

「じゃあ、見せて見ろよ。」

 え。

「中蓋みせてみろよっ。」

 ベキドラオンっ。

「ぎゃあっ。」

 バカ言わないでよ、ホテルならまだしも外で見せて欲しいなんて、あんた本当にバカでしょっ。バカッ、バカッ。

「だって、マヨネーズマヨネーズしたことあるんだろ。」

 あっ、あるわよ。マヨネーズマヨネーズくらい。

「じゃあ、ここで見せるのなんて普通だろ。マヨネーズマヨネーズなんて外でやる奴もいるくらいだし。」

 はっ、はぁ。何言ってんのよ、外でなんて。そんな、恥ずかしくてできる訳ないじゃない。

「なんだ、嘘か。」

 えっ、いや。

「嘘か。」

 マヨネーズマヨネーズくらい、したこと、あるし。

 したこと、あるもん。

 本当に、した、こと、あるんだもん。

 嘘、じゃないんだもん。

「おいっ、後ろにモンスターがいるぞっ。」

 あるもんっ。

 マヨネーズマヨネーズくらいあるもんっ。

「叫ぶなよ、もう後ろにモンスターが来てるんだ。静かにしろって。」

 何よ、見せろって言ったり、いるとかいらないとか言ったり、マヨネーズマヨネーズマヨネーズマヨネーズうるさいのよぉっ。

 バカッ。

「うおぉぉぉぉぉぉっ。くらえっ、マスターソードォッ。」

 きゃっ。

「ふう。大丈夫か。」

 あ、ありがとう。その、助けてくれて。

「ふう。ふう。いや、気にしなくていい。うっ、うあっ、はぁはぁ、ふう。」

 あ、ありがとう。

「ふう。」

 あのさ。

「はぁはぁ、何だ。」

 今、マヨネーズマヨネーズしたでしょ。

「こいつは参った。」 

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