第6話 第二原理解説

 存在の『相』に働き掛ける『相』上の力がある、反作用もあり得る、と第二作用原理則は知らせています。

 反作用は力の持つ当然の一面です。

 作用についても問題ですが、実は『相』にはその変化が予定されているのです。『相』の、今、という一瞬間を示す時計の針を進めるだけのことです。力が加わり変化することを『相』は組み込まれ済みなのです。そのためにある特定の術者とある魔術とある魔法が行われるというカギが必要なのです。ただ自然法則のまま時を進めるわけではありません。『相』上の変化は自然法則を、意志の原理を越えたものです。魔法の成否とはかける前に時間を越えた『相』に予定されているのです。第一原理が満たされてもかからない魔法はかからないし、かけることができない術者は、いつまでにしろかけることができないのです。自然法則よりも当然で分かりやすいのが第二原則です。もちろん、われわれはかからない原因を探ることができます。第一、第二、第三の原則が満たされないというのが、当然な理由でそれ以外に理由は存在しません。

 私から見るなら、因果関係ははっきりします。術者の魔法をかけようという意図が原因で結果は魔法の効果です。失敗の結果の原因は魔法の原理が示す条件を満たせなかった点です。私から見なければ元から予定されていたにすぎないのです。われわれが魔法をかけようとすることも、かかることも、かからないことも、間違うことも、かけようとしないことも予定されているのです。すでに、われわれが生まれる前に。

 世界はシナリオ通りにしか動かないのです。われわれはその上で運命と戦うしかないのです。これは永久に勝てないでしょう。勝てたと判断したり思うこと自体、予定されてるのですから。

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