第215話0215★ホタルが上空から観《み》た、巨大な生物は?


 白夜がホタルの卵へと、好奇心の瞳を向けていることに気付いた神護は、くすっと笑って言う。


 「どうした? 白夜」


 神護に問い掛けられた白夜は、ちょっとためらってから聞いてみる。


 「その……飛竜の卵……」


 「ぅん? ホタルの卵がどうかしたか?」


 1日一度は撫でる習慣を身につけた神護は、白夜が何を言いたいか理解わからずに、問い返す。

 そんな神護の手元にある卵を、うらやましそうに見ながら言ってみる。


 「父上 私も撫でてはダメですか?」


 触ってみたいという意思表示を示した白夜に、神護はにっこりと笑って言う。


 「ダメなわけ無いだろう…白夜………くすくす…この卵達はな

  ホタルが死んでしまい、アンデット化してしまったことでな


  《生気》を含んだ愛情を受け取れなくて、死滅寸前だったんだ

  ホタルも卵達から離れがたくって、アンデット状態でも

  卵達を護っていたんだ


  そんな時に、俺はホタルと出会ったんだ

  そして、ホタルは納得して〈ドラゴン・ソウル〉に成り

  卵達を俺に託してくれたんだ


  だから、ホタルの卵達に愛情をいっぱい注いでやりたいんだ

  白夜も、この卵達に愛情を注いでくれるか?」


 どうして、神護が飛竜の卵をいっぱい持っているかを知り、白夜は嬉しそうに頷いて言う。


 「はい父上 私も卵達に いっぱいの愛情と《生気》を注ぎます」


 そう言う白夜に、神護は優しく笑いながらホタルの卵の1つ目を手渡した。


 「白夜、丁寧に撫でて愛情を注ぎ終わったら、俺に手渡してくれ

  腕輪の中に戻すからな、ホタルの卵は12個あるから、頼むな」


 「はい 父上」


 白夜は手渡されたホタルの卵を大事そうに抱えて、思いを込めて撫で撫でする。


 〔何時か このホタルの卵達から孵った飛竜達に乗って

  父上と一緒に 空の旅をしてみたいなぁ~…………

  勿論 飛翔族の再興が済んでからの話しだけど 何時かきっと…〕


 そんな思いを込めて、白夜はただ一心に撫で撫でを繰り返していた。

 それを横目に見ながら、神護は脳裏に送られて来る周辺の様子と、街道への進むべき方向と距離を把握する。

 そんな中………。


 ……えっ? えぇ~…とぉ……なんか、今…すっげぇ~大きい…

 恐竜もどきみたいな、べらぼうにでっけーモンを見たような気が

 ここって、恐竜もいるのかぁ? うわぁ~…マジかよ


 ホタルが、どのくらいの高度からたモノかは

 いまいち…どころか、いまさんくらいわからないけど……

 アレ恐竜もどきは、かなぁ~り大きかったのは確かだぞ


 アレだと、シロナガス鯨並みかも……いや、もっとかな?

 だぁぁぁ~…勘弁してくれよ


 たとえべらぼうに巨大な、恐竜もどきだったとしても

 倒して、倒せないことはないだろうけどなぁ……はぁ~……

 あの巨体を、まんま腕輪や巾着に入れるのは、流石に無理だろ










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