第196話0196★閑話 神護が白夜を腕に、樹海を彷徨い出した頃・現世界では婚約者達が情報交換?2



 小首を傾げて、神護が異世界に渡っただろう時に感じ、幻視したモノを口にした美亜に、ギンが必死の形相で飛びつく。


 「それ、ボクの番のランカだ……見えたの?視線合ったの?

  何処だった?ボクのランカは………」


 と、美亜に飛びついてぎゃんぎゃんと騒ぐギンの襟首を、ヒョイッと摘んだ竜治は、嘆息して言う。


 「たぶん、それって美亜とギンの番と波長があったってコトだね

  目覚めた状態のままで、幻視するなんて凄いね


  睡眠時のに受ける啓示けいじより強力ってコトだね


  ようするに、美亜はその赤毛混じりの金毛九尾を探さないと

  ダメってコトかな?


  それが、ギンの番だって言うんなら、なおのこと探さないとね

  見つければ、神護への道が繋がるかもしれないしね


  でもって、ギン、あと、キミ関係のキツネって居る?」


 襟首を摘まれて、ジタバタしていたギンは、ハッとしておとなしくなり、その喫茶店に集まった面子をぐるりと見回して言う。


 「そっか、そう言うコトなんだ……えっと、竜治さん降ろして……」


 落ち着いたらしいギンを、テーブルに降ろす。

 ちなみに、美亜と美姫が隣り合って座り、竜治の隣りには美鶴が座っている。

 体面は、美鶴の前に美姫、美亜の前に竜治という感じである。


 「それで、ギン、どういうコトなのかな?

  キミが感じたコトでイイから言ってみてくれないか?

  ことの審議はこのさい後だよ


  今は、少しでも神護についての手がかりが欲しいからね」


 竜治の言葉に、美亜がハッとして手を上げる。


 「なんだい?美亜、何か気が付いたことでも?」


 竜治の言葉に、美羽が頷いて言う。


 「うん…そのさっきの白昼夢?なんだけどね、祈っていた人達

  女の人が大半で、背中に翼が有ったの………でね、切ってた

  なんか、翼を捧げていたみたいだったわ」


 その言葉を聞いたギンが、ビクンっとして言う。


 「ソレ、ほんま?」


 「ギン、言葉遣い」


 「ああ、すみません、竜治さん………もし今の言葉が本当だったら

  たぶん、美亜さんが見たのは、飛翔族だと思います


  翼を切り落としてって言うんなら……

  神護さん呼んだのは、まず間違いなく、飛翔族でしょう


  あの種族には、翼に願いを叶える《力》があるんです

  祈願成就っていう、特殊な願望を叶える《力》が………


  それで、神護さんがあちらに呼ばれたってコトは

  飛翔族の存亡が掛かっているんだと思います


  飛翔族が堕ちれば、封じられた邪神達が覚醒めざめます

  それを阻止する為に、呼ばれたのかも………


  ボクが《封印》から開放されたのは、ソレもあるかも……」





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