第98話0098★ネズミーランドは危険がいっぱい?8



 そして、ニューイベント主催者側の裏では………。


 神護達の人数に、そこ担当の責任者・新羅しらぎは盛大に困ってしまていた。

 流石に、11人のパーティーメンバーである。


 「うわぁ~……初日のしょっぱなに…

  11人で…パーティーかよ……

  流石に、不味いな……」


 ニューイベントで、最初から同じ魔術書が重なるのは、流石に不味いと思い、頭を抱えた新羅に、補佐役の青年・滝沢は、バイトの子に慌てて裏に取りにいかせていた。


 「新羅さん、大丈夫ですよ 11人なら

  まだ、何とか種類の数が間に合いますから

  今、裏の倉庫にとりにいかせてます


  それに、分割すると、中で女の子が襲われる

  可能性があるから出来ませんし…………」


 系統別の女の子を見て、溜め息を付く。


 「ああ、そうだな…

  しかし、早々に必要になるとは……


  とりあえず、最強の無属性は……

  リーダーらしい…あの男の子に…


  聖属性は…あっちのふわっとした女の子……

  魔属性は、あの眼鏡の男の子……雷属性は……」


 と、一応入れるモノの指示をテキパキと出す。

 その間に、キャラグッズなども入れて、急いで入場口へと走らせた。


 もしもを考えて、秘密アイテムやレアなアイテムも用意していたので、何とかなったのは確かなことだった。


 ちなみに、この企画が持ち上がった当初は、呪文書も6種(地・水・火・風・光・闇)しか無かったのだが…………。

 ゲーム好きとラノベ好きがそれだけじゃつまらないと、後から4種(氷・雷・聖・魔)を追加したのだ。


 そして、もしもの時ようにと、予備で、極レアとして、無属性なるモノも足したのだった。

 そう、神護達11人分の呪文書はそうやって用意されたモノだったのだ。


 追記するならば、最初の6種が、上級まで行くと100がマックスとして、後からの4種は500でマックス、無属性は極めれば1000マックスという設定で作られていた。


 なお、最後に出現した無属性は、凝りに凝った者がいて、もしも完璧詠唱が出来れば、とんでもない豪快で華麗なグラフィクが出る予定になっていた。

 閑話休題


 その頃、入場受付口では、にこにこしながら時間稼ぎの説明が行われていた。


 「はい、確かにお預かりいたします」


 背後に大荷物で5人駆け込んで来たのを確認し、シンデレラがこちらへと手招きする。


 「ここが、入り口です

  みなさん、ギルドタグを受け取って下さい


  確認は、こちらのこの部分にタグを入れますと

  ステータスなどか色々出ます…………」


 まずは、自分のギルドタグであるかどうかの確認をという言葉に頷く。

 神護は、指定された場所にギルドタグを入れる。


 と、直ぐにカードに書いたモノが表示された。

 その様子を見ていた残りのメンバーも、次々とギルドタグを入れて、自分のモノであることを確認する。


 「皆さん、ギルドタグは確認できましたか?」


 その問いに、神護は全員を見てから頷く。


 「ああ、間違いは無いようだ」


 それに頷いたシンデレラは、側に置いてあった鈴を鳴らす。

 と、従者らしいものが現れて、それぞれを手渡していく。




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