第87話0087★現世での神護の日常5 自室にて最近のコトを考察3
神護は、かなり大きくなった飛翔族の卵を、
自分以外には見えないし、触れない巾着袋をまじまじと見てから、神護は、やはり自分以外には見えない卵と、二の腕に嵌まる綺麗な腕輪を見て、溜め息を吐く。
この腕輪には〈ドラゴン・ソウル〉となった
ホタルが宿っている……
そして、ホタルの12個の卵達も…………
ここから、どうやったら出せるんだ?
最近見たラノベに、そういう感じのあったよな
あれを真似して、意識してみれば良いのかな?
諸説によれば、マンガや小説なんて
何処かの異世界を垣間見て
書いている、なんて話しもあるし
全ての生き物の意識は、根底で繋がっているとか
まぁ…何処かで、繋がっているのはあるかもなぁ……
現在、この世界に存在しない、架空の生物達
例えば、精霊とか妖精とか、天使に悪魔、妖魔etc.
神獣に魔獣に妖獣…その代表が、ドラゴンかな?
異世界だけど、天使の姿したモノは
実在していたし
まぁ飛翔族と、宗教は無関係だろうけど
ドラゴンだって、こっちも異世界だけど
飛竜のホタルって存在が居たし………
アンデットだったけどな
全身がすべて薬になるって言うんなら
ドラゴン退治のジークフリートの
竜血を浴びて強くなったとかも
ありなんだろうなぁ……じゃない、脱線した
神護は、思考から意識を引き離し、小さな巾着袋と左の二の腕に嵌めている腕輪を交互に見て、無意識に首を傾げる。
たぶん、見かけからすると非常識なほど
物が収納できることから考えて…………
巾着袋も腕輪も、似たような構造なのかもなぁ……
そんなコトを考えながら、神護はとりあえず巾着袋の口を開け、そっと飛翔族の大きくなった卵を置く。
次の瞬間、つるんっという音がつきそうなほどの勢いで、綺麗に卵を一瞬で包んでしまう。
神護は、その飛翔族の卵を収納した巾着袋を胸元にしまう。
ほんと、一瞬で卵を包んで、姿変わらずだよなぁ……
そういう意味じゃ、たぶん腕輪も一緒だよなぁ………
一瞬で、飛竜の卵と、その親のホタルの小山ほどあった骨やウロコの塊を収納した腕輪を見て、無意識に微苦笑を浮かべる。
とりあえず、ホタルの卵が
取り出せるか、確認しておこう
そんなコトを考えながら、神護は左の二の腕の腕輪に右の手のひらを
と、フッという感じで飛竜の卵が出現する。
「へぇ~……他人には見えないし
触れないけど
俺の目には見えて…触れるってことか……
そして、こうやって
現実の世界でも出現させられるんだ」
腕輪の中から取り出してみれば、バスケットボール並みだった、ホタルの卵も少し大きくなっていた。
ぅん~………ホタルの卵も少し大きくなっているな
つぅーとぉ……あっちの異世界の卵って…………
卵のままでも、ある程度は育つのか?
取り出した1個の卵を、ためつすがめつしてから、そっと側に置く。
そして、神護は全部の卵、12個を部屋の床の上に並べてみた。
そう、神護は、今、現在、現実世界の自室に居るのだ。
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