第77話0077★アンデット飛竜は語る3 飛翔族の【守護者】って?



 アンデット飛竜の情報から、神護は自分が何かとんでもないことに巻き込まれているらしいことを悟り、溜め息を吐く。


 はぁ~……なんかなぁ……じゃなくて

 このアンデットの飛竜は

 何でそんなになげくんだ?


 「なぁ……なんで、そんなになげくんだ?

  それと、なにを言いかけて止めたんだ?」


 その問いで、あらためて、神護が現在の状態を知らないことに納得する。

 その飛翔族の卵を、手渡されたという意味を…………。

 そして、アンデット飛竜は、何かを決意する。


 『少年ヨ ソナタハ

  卵ノ【守護者】ニ

  選バレタノダロウ』


 【守護者】って……あれ?

 なんか……聞き覚えが…ある?

 でも、その【守護者】ってなに?


 「【守護者】?」


 疑問符付きで聞き返す神護に、アンデット飛竜が答える。


 『我モ はるカナ昔ニ

  ココデ死ンダガゆえ

  くわシクハワカラナイガ………』


 「それでイイから教えてくれ

  俺は、何を望まれたんだ?」


 神護からの問いに、アンデット飛竜は考え込み、独白に近い言葉をこぼれ落とす。


 『コノ卵ノちいササ

  マサニ 生マレタバカリカ?


  コンナ未熟ナ状態ノ卵ヲ

  一族外ニ出ストハ


  飛翔族ノ里ガ 何者カニ

  侵略サレタノダロウ


  マシテ 手渡シタ者ハ

  皇太子ノ剣ヲ所持セシ者


  飛翔族ガ持ツ 翼ノ《力》

  祈願成就ノ《力》ヲ 狙ワレタカ』


 そんな状態で逃がすしか無かったということだろうことは、神護にも理解りかいできた。

 だから、神護は首を傾げて考え込む。


 あっ…やっぱり、この卵って

 ものすごくちいさいンだ……


 ようするに、未来の子供を

 落ち延びさせたってことか?


 あの男って、もしかして

 思いだけの霊体だったとか………


 じゃなくて、祈願成就の《力》ねぇ………

 言葉的に、どういうモノかは想像つくけど……


 確かに、飛翔族の翼に願っただけで

 願いがかなうんなら狙われるな


 だけど、なんか引っ掛かるんだよなぁ…………


 なんで、まるっきり赤の他人の

 異世界人の《力》も無い俺を


 【守護者】なんていうモンに選んで…………

 大事な卵を託すんだ?

 

 そうまでして、飛翔族という種族の

 血統を、無理矢理にでも


 維持し続けなければならないような

 理由でもあったのかな?


 新たな子が、一族の外で誕生するという

 可能性に賭けたってことか?


 もしかして、マジで滅びきれない

 理由とかある種族?



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