第64話0064★再び樹海?



 自分の部屋のベットで眠りについたはずの神護は、ここしばらく馴染みとなった感覚とともに、まるで富士の樹海のような場所に立っていた。


 ふっ……やっぱり…今日も…ここかよ

 いったい、これになんの意味があるんだろう?

 たぶん、引っ張られているんだろうけど………


 伊勢神宮の参拝の時に

 俺に絡み付いてきたモノに

 悪いモノは感じなかったけど…………


 おぼろげに覚えているのは………

 ここで、植物系のモノと《契約》したコト


 だけど、あの植物系の魔物?が

 俺をここに呼んだようには思えない


 それだけが、理由とは思えない

 あの植物系魔物?は………


 こちらに呼ばれて、森林を彷徨さまよ

 そこに、便乗して《契約》しただけ………


 神護は何度考えても、ここに呼ばれる理由がわからず、考えることを放棄して、今日も、わけのわからない樹海のような森林へと、足を踏み出す。


 ゆっくりと、周辺を確認しながら…………。


 でも、神護はちょっとわくわくしていた。


 今日は、なんか目新しいモノと出会えるかな?


 就寝と共にこの樹海モドキを訪れるが、たまに昼間らしい時もあり、どうも時間がまちまちらしいのだ。


 見るから、夜明け間際の早朝だったり、日没直前の夕日が差し込む時間だったりで、はじめの数回は困惑していた。


 が、樹海モドキのここは、それぞれの時間で色々なモノが見れるので、もう神護はそれを楽しみにしていた。


 そして、今は朝と昼の中間あたりらしいことが、なんとなくわかる時間帯だった。

 神護は、無意識に腕時計を見ようとするが、そんなモノは存在していなかった。


 そんな神護から少し離れたところを、ウサギもどきが跳ねていた。

 よく見ると、小さな2本の角が左右の耳の間に生えていた。


 異形のウサギに、神護はちょっと首を傾げる。


 これがド○クエとかだと、額に1本角で

 ウサギ型のモンスターなんだけど………


 何度見かけても

 襲ってくる気配ないんだよなぁ

 最初見た時は、ギョッとしたっけ………


 なんと言っても、俺ってば

 武器らしいモノなんて無いし


 チラッとこっち見てから

 双角ウサギは愛らしく小首を傾げ


 ぴょんぴょんと跳ねて

 居なくなっただけだし………


 あと………ここで見たのって………

 モコモコしたやつだけど…………

 そういう種類は、普通にいるし…………


 そうそう、綺麗な豹柄の大きな鹿モドキとか

 その鹿モドキには、虎柄もいたなぁ…………


 基本、草食系にしか

 出会ってないから助かってるけど


 あと、声だけしか聞こえないけど

 鳥もいるみたいだな


 樹冠じゅかんの方にいるらしく、下の枝には降りてこないらしく、神護は上空を飛ぶ鳥類の姿は目にしていなかった。





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