第63話0063★《封印》されし女神の神殿・呼ばれた【守護者】


 そして、ビャクヤは、七日七夜なのかななやそのまま祈り続け、嶺鳥れいちょうの卵へと自身を写し終えたのだった。


 ビャクヤは、その元は嶺鳥れいちょうの卵で、今は自分自身の全てを入れ込んだ卵を手に取る。


 「確かに 私を感じる 成功したのか?

  これを 【守護者】に手渡し………

  無事 再誕せねば………」


 だが 卵から新しくかえるのであれば

 どうしても 幼い個体となる


 だが それは飛翔族の皇太子を探す

 あやつらの目をあざむくことができる


 そのビャクヤの思いを反映したように、銀水晶がきらめく。


 そう、祈願成就の《力》でこちらの世界に呼ばれた【守護者】が、再び降り立ったことを示す輝き。


 ビャクヤは、その卵を手に、ここまで持ってきた荷物の全てと愛剣を持って、女神の神殿を走り抜けた。


 く心のまま、女神の神殿を出て《封印》されし【竜ケ峰りゅうがみね】の森林を走り抜ける。


 わかる……彼は……こっちだ………

 このあと どうなるかは わからないが

 私は 彼が【守護者】だと 認識した


 皆の者 待っていろ 私はかならず

 【輪廻転生】して 【守護者】を連れて

 全てを取り戻す 一族を再興させる


 あの おぞましい欲望にまみれた

 黒き河の国の国王

 ジャアハード・ムハーリ・ハーリィア黒き鼠の王

 打ち滅ぼし その欲望を退しりぞけてやる


 ビャクヤは、決意を胸に《封印》されし【竜ケ峰りゅうがみね】の森林の中を走り抜けた。

 





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る