第23話0023★キツネ族の獣人レイとしてハンターギルドを訪れる



 ちょうど良いことに、少し離れたところに一角ウサギが飛び跳ねた。

 ビャクヤは、すかさず打ち抜く。

 身を少しも傷つけないように、両目を射抜いたのだ。


 毛皮は傷がつくと値段が落ちるので、ビャクヤは、基本両目を射抜くようにしている。

 なんの感慨かんがいもなく、ビャクヤは射抜いた一角ウサギを持ち上げ、まじまじと見て、呟く。


 「ふむ これはイイな


  この一角ウサギの毛皮は

  ふかふかで王侯貴族が好む


  角も薬の材料になったはず

  まして コレは珍しい青角だ


  かなり 良い値がつくだろう

  ハンターギルドに持ち込むか………」


 少し離れたところに、色違いの毛皮と角を持つ一角ウサギがひょこっと現れる。

 ビャクヤは、すかさず射抜く。


 結局、5羽の一角ウサギを捕らえ、ビャクヤは街へと向かった。


 小1時間ほどで、そこそこの大きさの町へと到着したビャクヤは、一瞬びくっとする。

 なぜなら、街中に黒き河の国の軍勢の兵士達の姿が、ちらほらと歩いていたからだ。


 チッ もう既に 各都市

 小さな街や町まで派兵しているのか


 少しでも挙動不審な行動は

 注目を集めてしまうな

 慎重に行動しなければ………

 

 ビャクヤは、なにくわぬ顔で、5羽の一角ウサギを吊り下げて、堂々と兵士達の側を通り、ハンターギルドへと入っていく。

 勿論、何度も来ているので、偽名でギルド登録もされているのだ。


 ちなみに、ハンターギルドには数あるキツネ族のひとつのハグレ者で通してあった。

 通称で、レイと名乗っていた。

 そう、名前に反応できないと困るので、ミドルネームを名乗っているのだ。

 ちなみに、得意な攻撃武器は弓で登録してあった。


 ビャクヤは、ツイッとギルドカードを提示して5羽の一角ウサギを台に置く。

 受付も慣れたもので、ビャクヤのギルドカードを確認して頷く。

 ビャクヤは、角や肉や毛皮などを要求しないと知っている為に、対価だけをすっと差し出す。


 「ありがとうございます

  レイ様


  一角ウサギ5羽の買取金です


  1羽の角が青角でしたので

  プラスされています


  青角が………」


 と、角や毛皮、肉などの金額を、買い取りの受付の者に説明される。

 

 ビャクヤはそれにコクッと頷いて、出された金貨や銀貨を皮袋へと放り込んで、堂々とその場を立ち去るのだった。




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