貴方が私の栄光の
高里奏
予言
闇と怨念の国ファントム。
いつからか、この地はそう呼ばれるようになった。
外交は殆ど無く、隣国とは常に緊張状態であるこの国もまた他国からの略奪により成り立っている。
血を。血を。
ひたすら血を求める亡者が巣食うこの地を治める国王、エドワード・カオス・ファントム三世は色白く不健康ながらも陰鬱に美しい王だ。
エドワードは、夜の闇の中で荒廃した聖堂で既に数刻の間瞑想していた。
そして、ようやく静かに口を開く。
「婚礼の仕度をせよ。今宵、花嫁を連れ城に戻る」
静かに響く声は支配者の声だった。
静かであるのに逆らうことのできない、厳かで脅迫的にさえ聞こえる絶対的命令。
国王には既に四百年妻は居なかった。
突然の一声に従者たちは皆驚き、歓喜し、国民は恐怖と歓びに震えた。
長き沈黙からエドワード・カオス・ファントム三世が動く。
それはこの国を変え、世界を揺るがす一声だった。
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