第43話 人魚

 神秘的なイメージを膨らませるのは人魚姫に代表されるマーメイドであろう。

 しかし、よく考えてみてください。

 上半身人間(女性)下半身(魚)きっと海水魚。

 そうすると…肺呼吸なわけで、まぁ海の底になど生息できない。

 進化論に無理やり当て込むなら、爬虫類をすっ飛ばして上半身だけ哺乳類になってしまった。

 半魚人が、その中間に位置するのだろうか?

 にしても、キレイに上下分割するものか?

 上半身は進化して哺乳類側に進み、下半身は退化して魚に戻る?

 半身浴を何百万年繰り返せば、あんな姿になれるのだろう…疑問である。


 繁殖方法も疑問だ。

 オスがいない…いやいたとしても下半身は魚なわけだから、卵からふ化するだろう。

 メスが産んだ卵にオスが射精するのか…

 そもそも海中に卵を産むのだろうか?

 卵なら乳房はいらないと思うが…

 肺呼吸なら陸上に排卵するのではないだろうか?

 ウミガメみたいなことになるのかもしれない。

 砂浜に穴掘って涙流しながら排卵して、卵は鳥に食われたり、蛇に食われたり…

 優雅に生きてはいないのではないだろうか。

 少なくても琴持って岩場で弾き語るほど余裕のある生活ではないだろう。


 ヒレが腕のように伸びた魚がいたとしても、顔は魚だろうし、エラ呼吸であるなら

 胸から脇腹にかけて大きなエラが開いているだろう。


 見たいか?

 そんな生き物…間違いなくモンスターだよ。


 いなくてよかった空想上の生き物だと思う。

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