第35話 空白の10万年

 人類は2000年でAIを産み出した…

 それ以前は何をしていたのだろう?


 ホモサピエンスが誕生してから現代に至るまで、何をしていたか解らない10万年が存在する…。


 農業を始めて1万年、その十倍の期間が謎なのである。

「いやいや生きてたんだって…」

 考えてみると、種まいて収穫してた頃から1万年で自らの存在を根底から脅かすAIなるものを創造するに至った人類、キリストさん産まれて2000年しか経ってないんだよ。


 その間に人は空を移動し、宇宙すら視野に入れるほどに文明を発展させてきたわけで、10万年の間、同じホモサピエンスが、ひたすら種まいて収穫していただけなんだろうか?


 人類は、10万年で姿かたちは、それほど変化していないのだ。

 不思議というより不気味だと思うのは僕だけだろうか?


 いや逆に考えれば、この2000年で何かがあったのかもしれない。

 文明の進歩が急速すぎるのだろうか。


 我々の知性は…自ら本当に進歩してきたのだろうか?


 あるいは進歩させられたのだとしたら?


 西暦とは…キリストの誕生を起源とした、単なる起点にすぎない…本当か?

 このターニングポイントを「0」としたのは…なんらかの意味があるのではないだろうか。


 我々は次の10年を創造するより、過去に目を向けるべきではないだろうか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る